ハーブ・植物療法
西洋医学の薬は白い。薬という言葉から白い錠剤や粉薬をイメージする人も多いのではないだろうか。それに対して、ハーブやアロマなどを使った自然療法を象徴して緑の薬箱と呼ぶことがある。植物の生き生きとした力が感じられる素敵な言葉だ。 私も自分なりの…
宮沢賢治の童話「いちょうの実」には「薄荷水」という飲み物が出てくる。いちょうの実たちがいよいよ旅立ちの日(ぎんなんが落ちる日)を迎えるのだが、落ちる途中で目が回らないか心配する場面だ。 僕はね、水筒のほかに薄荷水を用意したよ。少しやろうか。…
本格的な夏がやってくる前に準備したいこと。それは虫刺され対策に、ドクダミとヘビイチゴのチンキを作ることだ。どちらも痒み止めに効果があるので、ダブルで準備しておけば心強い。 庭に出る前にシュッとスプレーしたり、刺された後に皮膚に塗ればスーッと…
植物の声を聴き、ハーブを自在に操る薬草魔女。ハーブにまつわる伝説や逸話を読むのが大好きな私にとって、薬草魔女は憧れの存在だ。少しでもそんな世界を体感してみたくて、毎月ちょっとした「薬草魔女しごと」を宿題のようにやっている。 普通のハーブワー…
今週のお題「現時点で今年買ってよかったもの」 私の「今年買ってよかったもの」は、かなり個人的なものだ。だから、お助け家電とか、便利グッズとか、他の方の参考になるようなものではない。誰かの役に立つ情報ではないけれど、個人的にすごく楽しくて「こ…
春になったとはいえ、まだまだ寒暖差があって寒くてびっくりすることもある。今日はそんな日なので、体の芯から暖まろうとハーブボールを作ることにした。 ハーブボールとは、一言でいうと「ハーブのお灸」のようなもの。布の中にいろんなハーブを入れて丸く…
今週のお題「睡眠」 何年か前に思い切って家庭用のミニ蒸留器を買った。その頃アロマウォーターにハマっていてローズウォーターを買ったりしていたけど、ピュアな物はとにかく高い。庭のバラを蒸留したら自分で作れるんじゃないかなと思ったのがきっかけだっ…
初めて生のローゼルに出合ったのは一昨年のことだった。デパ地下で偶然見つけて、可愛らしい形、濃い赤い色、上品な佇まいに目が釘付けになってしまった。品名を見ると「ローゼル」とある。ああ、これがいつも愛飲しているハイビスカスティーの本当の姿かと…
日々ハーブティーを楽しみ、ハーブのブレンドに勤しんでいる私にとって、とても興味深い本に出合った。 「奇跡のハーブティー」(ジェイソン・ウィンターズ) 末期癌で医者から余命1年を宣告された著者が、ハーブを学び、ハーブを探し求め、自らブレンドした…
季節によって食材の色のイメージがある。春は菜花、芹、クレソン、グリーンピースなど、春野菜がおいしいので断然緑だ。夏はトマトやスイカで赤、秋は栗やさつま芋、かぼちゃなどで、ちょっと茶系の黄色、冬は黒豆や黒米など、いわゆる黒五をよく食べるので…
今がまさに真夏、夏の真っ盛りだ。節電なんて話はいつの間にか聞かなくなって「適度に冷房をつけて」「こまめに水分補給を」と、日に何度も聞くようになった。地球環境が変わり、夏がもはや「危険な暑さ」になったということだ。 そんな夏の水分補給に役立つ…
お刺身には必ず添えられている青紫蘇。抗菌作用が強く、食べ物が腐るのを防ぐ効果があるという。その青紫蘇について調べていたら、興味深いエピソードに出合った。 昔、中国の有名な華陀(かだ)という医者が、カニによる食中毒で死にかけていた若者に紫の薬…
我が家の庭に憧れの薬草が育ってきた。うれしくて毎朝起きると庭に出て、育ち具合を確認している。「憧れなんて大げさ、そんなの道端に生えてるよ」って言われてしまいそうだけど、私にとってはずっと憧れていたものなんです。 それはヘビイチゴとドクダミ。…
よもぎほど不思議な植物はない。そこいら辺に自生しているただの草と思いきや、大昔から邪気を祓う植物として神事に使われたり、またお茶に、お灸に、よもぎ蒸しにと薬草としても大活躍。加えてよもぎ饅頭のおいしいことと言ったら。 そんなよもぎは私にとっ…
1月から朝日カルチャーセンターで「植物の民俗学」という講座を受けている。ゴマ、アズキと続き、3月のテーマは「ソバ」だった。ソバの歴史は古く、縄文時代後期・弥生時代の遺跡から花粉が出土しているという。5世紀からは「救荒植物」(飢饉の際に食料にな…
冬は乾燥の季節だ。口の中が乾燥しすぎて変な夢まで見ることもある。喉が渇いて仕方ないのに、どうしてもペットボトルが開けられないとか、やっと開いたら空気しか出て来ないとか。(笑) それで夜中にハッと目覚めるんだけど、口の中がもう尋常じゃないくらい…
ここでも何度か書いているローゼル。昨年デパ地下で初めて生のローゼルに出合って感動した話。今年はローゼルの1日講座に参加し、持ち帰った生のローゼルで家実習をし、余った種を庭に植えた話。種がハート型だなんて可愛すぎる~。 最近ちまたではローゼル…
暑かった今年の夏もいつの間にか終わり、爽やかな秋晴れの日が続いている。蚊もそろそろいなくなって庭仕事も楽になるかな。 うちの庭でうれしい発見。春に植えた時計草が初めて花を咲かせたのだ。姿形といい、色合いといい、なんと不思議で美しいことか。 …
旅の途中の出来事。期せずして、一度にたくさんの花を食べる機会があった。エディブルフラワーとわかっていても、やっぱり花を食べるのはちょっと勇気がいる。 もちろん今までも、菊の花をお浸しにしたり、桜の花で桜ご飯を作ったり、椿の花の天ぷらを食べた…
我家の庭では、毎年この時季にブルーベリーとブラックベリーがたくさんとれるようになった。植えたのはもう20年も前で、よく実をつける年と、まったくダメな年もあったりしたけど、ここのところ豊作が続いている。うれしいことだ。 でも、正直ブラックベリー…
今週のお題「上半期ベスト◯◯」 私の上半期ベストワンは「YOJO灸」というお灸です。今回はそんなお灸の話を書いてみました。 最近「お灸女子」「灸活」という言葉をよく聞くようになった。自分の体に気を配り、プチ不調ぐらいなら自分で治そうとする人が増え…
今年も新緑の季節がいよいよ到来だ。昨年の今頃、高知県にある牧野植物園に一人旅したのを思い出す。今、朝ドラを楽しみに見ているので、早くもまた訪れたくなった。 さて、植物療法の世界では本格的な暑さが始まる前に、必ず準備するものがある。ハーブの虫…
昨年、大分にある香りの博物館を訪れてから、香りについて俄然興味が増していろいろなアロマやお香を試している。最近は和の香りにより惹かれるようになり、いつの間にか毎日お香を焚くのが習慣になった。 retoriro.hateblo.jp 季節は春、ちょうど4月18日は…
古代ギリシャ、ローマ時代から万能薬として使われてきた聖なる薬草セージ。その名が救済を意味していることから「救世主セージ」と呼ばれていたという。 ヨーロッパでは「庭にセージがある家は病人が出ない」と言われていると知り、うちの庭にも2種類のセー…
聖ヒルデガルトの時代はハーブティーを楽しむ習慣はなかったという。当時は水が汚かったので、ハーブはもっぱらワインに入れてぐつぐつ煮出していたそうだ。そう考えると、お茶の時間をゆっくり楽しめるのは幸せなことだ。 自然療法を学び始めた頃は、ハーブ…
1月7日は人日の節句で七草粥を食べる日だ。実は私の誕生日でもあるので、子供の頃は「誕生日なのにお粥~⁉」と文句ばかり言っていた。 歳を重ねてからは七草粥の美味しさが体に沁み渡るようになり、毎年恒例の行事になっている。今年は食べるだけでなく、七…
芳醇な香りの花梨。この季節だけの恵みに感謝しながら、喉を潤し、咳を鎮める特別なシロップを作る。煮詰める方法もあるけれど、私のシロップは発酵を楽しむ酵素シロップだ。そしてハーブをプラスする。 去年は花梨とスミレとてんさい糖だけで作ったが、今年…
大分香りの博物館・後編は匂い袋作り体験について。 オリジナル香水を作った後の休憩時間で、2階の「香りヒストリーギャラリー」を回る。古代エジプトからアールヌーボー時代に分類され、貴重な歴史資料が展示されていた。 ハーブ医学薬学についての展示もあ…
香水やコロンといった香りを身につける習慣はなかった。病院、ヨガスタジオ、レストラン等で他人がつけている香りを不快に感じることも多く、それなら逆もあるだろうと自分はつけないことにしていた。 ハーブやアロマを学び、香りの歴史や癒しの効能などを知…
疲れた時の定番のお茶は、ハイビスカス、ローズヒップ、ローズのブレンド。ほどよい酸味とルビーのような美しい赤い色に元気をもらう。 なかでもハイビスカスのお茶は、古代エジプトの時代から飲用されており、ピラミッドを積み上げた作業員たちの喉を潤した…