ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

習慣の変え時

ナッツ製造過程の現状を知ってから、10年続いたローフード生活をどうしようか考えています。

 

今うちのキッチンには、カシューナッツ・アーモンド・ブラジルナッツ・ピーカンナッツ・ヘーゼルナッツ・タイガーナッツ(野菜)などがあります。なぜこんなにナッツがあるかというと、私が「ナッツミルクの飲み比べ」なることをしていたからです。

 

元々凝り性なところがあって、何か始めると実験のようにいろいろ試したくなってしまい、定番のカシューミルクやアーモンドミルクに比べて、他のナッツミルクはどんな味かなと試している最中だったのです。

 

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あのカシューナッツ製造過程の動画を見てから、作業をしている女性たちの黒くなった指先が目に浮かび、今はナッツを口にする気になれません。こんなにナッツ類を買い集めてしまい、、、それも全て輸入品なんですよね。どこで、どう作られたか想像することもなく、本当に自分でも嫌になるほどお気楽だったんだなと思います。

 

だからと言って、今あるナッツ類を全て捨てて、強い気持ちで今すぐナッツを断とうとは考えていません。それは本末転倒だと感じています。それこそ大変なプロセスを経て、今うちにあるわけですから、作業に関わった人たちを思えば一粒だって無駄にはできません。

 

何度か書きましたが、私は子供の頃から肉・魚が苦手だったので自然な流れでヴィーガンになり、人づきあいを除いては特別な我慢や苦労もなく今まで来ました。牛乳・卵も食べなくても全然平気だし、生クリームたっぷりの洋菓子はむしろ苦手でした。人前ですごく我慢しながらヴィーガンを装い、裏ではこっそり何かを食べている、なんてこともありません。むしろ逆で、ずっと人づき合いを優先する「隠れヴィーガン」でした。

 

「草だけ食べて生きられるか、人生何が楽しい」と言われたこともありますが、本当に菜食が好きだし、奥が深いと感じているので実験のように色々試したりする生活が楽しくてなりませんでした。

 

だから、お肉をある年齢まで普通に食べてきた人が、何らかの理由でヴィーガンになろうと決意して、脱肉食を始めることの難しさを理解していなかったようです。自分の信念のため人生の途中でお肉(他の動物性食品も含め)をやめることが、どんなに大変でストレスのあることか。ビヨンドミートのような限りなく肉に近い代用肉も切実に必要なんだということが、初めてわかったような気がします。

 

自分が10年続いていたローフード生活の中心にあるナッツについて考えた時、初めてそれがわかったのです。何かを断つということは、それに関わってきた時間や思い出まで封印してしまうような淋しさがあります。「過去の自分に卒業!」のようにすっきりすることならいいですけどね。

 

ナッツミルク、ロースウィーツ、エナジーバー、ヴィーガンチーズ等、ローフードは地味になりがちなヴィーガン生活を華やかに彩ってくれるおしゃれな食習慣だったのです。

 

本の雑誌でも次々紹介されるお洒落なローヴィーガンのライフスタイル。私もニューヨークのモデルさんたちやセレブのローヴィーガン生活にかなり影響されていたのかもしれませんね。一汁一菜の地味な粗食に逆戻り~~。「ハレとケ」を意識してナッツは「ハレ」だけにするとか、模索中。気づいた時がベストタイミング。そろそろ食習慣の変え時なのかもしれないと思いました。