ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

小豆と腎臓、クルミと脳、形が似ているものが治してくれる

中医学の同類相補

小豆と腎臓は形が似ている。だから小豆を食べると腎臓の働きを助けてくれる。

 

この話を初めて聞いた時、すごく感動したことを覚えています。ところがこれひとつではなかったんですよ~。

 

クルミと脳は形が似ている。殻が頭蓋骨、中身が脳の形。クルミにはポリフェノールやαリノレン酸が多く含まれ、集中力の向上や認知症予防によい。

 

うわぁ、すごくないですか? まだまだありますよ。

 

海藻と髪の毛は形が似ている。海藻に含まれるヨウ素が髪につやを与え、豊かにしてくれる。

 

トマトと心臓は形が似ている。(似ているかな?似ているのもあるかもね・・)トマトに含まれるリコピンの抗酸化作用が心臓の老化を防ぐ。

 

肝臓が悪い時は動物のレバーを食べるとよい。(これは似ているというよりそのままみたいですけどね💦)

 

他にはれんこんネギなど穴が開いた管状になっているものは気管や肺など呼吸器系によい。

 

形だけじゃなくて、色も似ている物を取るといいそうです。ビーツは「飲む輸血」と言われていますよね。私も生のビーツが手に入った時はジュースを作りますが、まな板まで真っ赤になってまさに血液のようです。

 

こんなふうに色や形が似ているものが、人間の体を補う効果があることを中医学では「同類相補」「相似の理論」と言うそうです。

 

そんな難しい言葉は知らなくても、昔から「おばあちゃんの知恵袋」的に、咳が出たら喉や胸にネギを貼ったり、れんこんをすりおろして飲んだりしましたよね。しませんでしたか?(#^^#)

 

日本にもこんな民間療法があるから、なんとなく中国や日本の話だと思っていたら、西洋ハーブにも同じような話があるんですよ!本当に驚きました(*_*)

象形薬能論 

エルダーフラワーは茎を切ると空洞になっていて、気管支の形状と似ているから呼吸器系によい。

 

パイルワートの花が肛門の形に似ているから、昔から「痔の草」と言われ痔の症状に効く。

(肛門の形?とびっくりして画像検索しましたが、イマイチピンときませんでしたが)

 

オオバコの花はスネークヘッド(蛇の頭)と言われていて、蛇の頭の形に似ているから毒の吸出し能力が高い。

 

ジャーマンカモミールは花の中央の膨らんだ部分が盛り上がっていて子宮に似ているとされ、婦人系の病気によい。

 

おもしろくないですか?

 

ちなみに私の大好きなラズベリー卵巣や乳頭に形が似ているから、女性ホルモンに関する機能に効果があるそうです。

f:id:retoriro:20200508103558j:plain

 

極めつけは「アイブライト」 

名前はeye bright で直訳すれば目が輝く?ですが、白い花びらの中に黄色の斑と赤紫の筋が浮かんでいる様子が、疲れて充血した目に似ているんだとか。それで大昔から、結膜炎、ものもらいなど目の炎症の治癒に用いられたんですって⁉

 

古代ギリシアでも目薬として処方された記録があったり、ヒポクラテスが「目にはアイブライト!」と記しているそうです。

 

イギリスの植物学の父カルペパーは「もしアイブライトがもっと利用されれば眼鏡屋の半分は倒産していただろう」と言ったそうな。フランスではこのアイブライトを「めがねの壊し屋」とも呼んでいるそうです。

 

植物ひとつを取ってみても、いろいろなエピソードが出てきて本当に面白いです。そんな大昔からある植物が今でも存在し続けていることがすごい❣こんなに環境汚染がすすみ土壌が変わってしまっているのにね。

f:id:retoriro:20200511113137j:plain


 

16世紀にスイス生まれの医師パラケルススは

「神はあらゆるハーブの姿かたちに、その作用と効果を表すヒントを標し与えた」と言ったそうです。

 

私たち人間が植物を見て、その薬用効果を理解できるように、神様が形を似せてヒントをくれたということなんですよ。これを「象形薬能論」と言うそうです。

 

これを非科学的、ナンセンスと切り捨ててしまうことは簡単ですが、なんせ紀元前から薬草についての記述は世界中であるんですから、信じたほうがロマンティックだと思いませんか?

 

しかも中医学と西洋の自然療法で、言葉は違えど同じような考え方がある。これはもう偶然ではなく真理じゃないかと私は思うのです。 

 

神様と言ってしまうとイメージが先行して抵抗があるかもしれませんが、大いなる自然からのギフトと受け取ったらすごくありがたい話だし、身近な薬草のなかに自分の体と似ているものを探すのは、宝探しのようでなんだかわくわくしませんか?