ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

ヒモトレ・一本のヒモの不思議

今週のお題「運動不足」

 

この人生がいつまで続くかわかりませんが(唐突にスミマセン!)できれば最期の最期まで自分の脚で歩きたい。自分の世話は自分で、強くそう願っています。だから脚に痛みが出ると、いよいよ歩けなくなるかなと急に弱気になったりします。

 

出産後しばらくたってから、元々悪かった股関節がさらに悪くなり、痛みで一歩も歩けなくなってしまいました。仕方なく骨盤を切って大腿骨に被せる手術を受け、2ヶ月間入院しました。

 

退院時に、担当の先生からは「次に痛みで歩けなくなったらその時は人工関節だから、絶対に無理をしないこと。重いものを持たない。長く歩かない。できれば水の中でお姫様のように暮らしてください」と言われました。

 

そんな~無理無理~。お医者さんのくせに、何を言うか。おばさんに向かって「お姫様のように」だって、人魚姫になれって⁉(*_*)

 

そんなわけで、ウォーキングやジョギング、登山、テニスなどのスポーツ全般はできませんが、何もしないとそれこそ筋肉が衰えて歩けなくなってしまいます。骨盤や股関節周りを守るためにはある程度の筋肉も必要で、ヨガでなんとか整えてきました。

 

ところが2年ほど前に「ヒモトレ」という不思議なトレーニングに出合い、一本のヒモで嘘のように体が整うことを知ったのです。私の場合、右股関節を手術しているので、どうしてもそれを庇うように左側が無理をして、知らず知らずのうちに体がずいぶん歪んでいたようです。

 

考案したのはバランストレーナーの小関勲氏。多くのオリンピック選手やプロスポーツ選手の指導経験のある方です。

 

ヒモトレのやり方は大きく分けて二つ。ヒモエクササイズヒモ巻きです。

 

ヒモエクササイズは輪っかにしたヒモを用意して(100円ショップで売っているヒモでOK)主に両手首にかけて簡単な動きをします。これが不思議なんですが、ヒモのあるなしで自分の体の可動域が変わるんです。

 

ヒモという制限がかかることで、右手と左手が互いに引っ張り合い、自然と体全体がつながり動きがよくなるようです。

 


書籍『DVD付き ヒモトレ入門』付属DVDダイジェスト映像

 

DVD付き ヒモトレ入門

 

もう一つはヒモ巻き。こちらは体のいろいろなところに、ただヒモを巻くだけ。

 

これは本当に不思議なんですが、実際に養護学級で障害のある生徒さんの動きや呼吸が改善したり、介護現場で寝たきりだった高齢者が起き上がれるようになったりと、様々な効果を上げていて、始めはヒモトレに半信半疑だった指導者の方々も驚いているそうです。

 

☆ヒモトレはなぜ効果があるのか

 

ヒモを使うと体の中が自然と繋がる

   ↓

無意識にブレーキがかかっていた部分が緩む

   ↓

体全体のバランスが整い、本来の力が蘇る

 

考えてみたら、昔の人は腰ひもやタスキ、ハチマキなどヒモを普通に体に巻いていたんですよね。日本には縄跳び、あやとり、コマ回しなどの遊びもあって、ヒモが身近にあった。

 

それもきっと理に適ったやり方で生活に溶け込んでいたのに、いつの間にか生活様式が変わり、日本のヒモ文化も消えつつあるということでしょうか。ヒモトレを知ってからはなんだか残念に感じます。

 

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私がヒモトレに使っているヒモ。手芸屋さんで買いました

健康のための3セットは「食事・運動・睡眠」とよく言われます。だから「運動不足」と言うと、足りない、サボってる、ダメだ、もっと頑張らなきゃという焦りのようなプレッシャーを感じませんか。

 

私は「不足」よりは「整える」ことに焦点を当てたい。

 

私の場合は、代替療法やヨガに出合う前に手術を受けて骨盤を切ってしまったので、後からずいぶん後悔もしました。「もっと他の方法があったのではないか」「体の中心の骨盤を切ってしまうなんて」と。

 

でも過ぎたことはしょうがない。人間の体には自然治癒力が備わっているから、骨盤を切ることで歪んでしまったバランスも、時間をかけて整ってきているに違いない。体がその歪みを受け入れて、新しいバランスを作ろうとしているに違いない、と思うようになりました。

 

ヒモはその「バランスを整える」ことを手伝ってくれる道具。シンプルさと日本のヒモ文化に通ずるところが気に入っています。運動不足を解消するほど頑張らなくてもいいや。心地よさを感じる程度に体を動かそう。