ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

映画ゲームチェンジャーズ、とうとう観ました!

ずっと観たかったドキュメンタリー映画「ゲームチェンジャーズ スポーツ栄養学の真実」(原題 The Game Changers)

 

世界トップレベルのヴィーガンアスリートたちがたくさん登場し、肉がパワーの源だといういわゆる「肉食神話」を根底から覆すという衝撃的な映画。

 

ヴィーガンサイトなどで話題になっていたし、SNSで「ヴィーガン告白」をし、芸能界を引退した藤原史織(ブルゾンちえみ)さんも影響を受けたと語っていたので、前から観たかったんですよ。でもネットフリックスに加入しないと観れないということで、ぐずぐずと迷っていて出遅れてしまいました。

 

製作陣には、アバターやタイタニックのジェームス・キャメロン監督やシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー、ジャッキー・チェンなどそうそうたるメンバーがいます。ちなみに3人とも菜食です。(ヴィーガンかどうかまではわかりません)

 

そして監督は「ザ・コーヴ」を撮ったルイ・シホヨス氏。彼も菜食。1986年に屠殺場を見てから肉が食べられなくなったそうです。

 

菜食の人たちが集まって撮ったドキュメンタリー映画、興味津津です。

 

ゲームチェンジャーという言葉は、元々スポーツの試合中に途中交代で登場し、流れを一気に変えてしまう選手のことだったのが、転じてこれまで当たり前だった状況を大きく一変させるような人、企業、出来事を言うそうです。

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肉食からプラントベースへ

 

この映画のタイトルはそういう意味なんでしょうね。そしてチェンジャーズと複数になっているから、時代を変える人達ということでしょう。

 

主人公は元総合格闘家で、米軍特殊部隊のインストラクターでもあるジェームス・ウィルクス氏。彼がケガをきっかけに、栄養学を学び食事法を見直していくのですが、時代の最先端の科学者やヴィーガンのトップアスリートたちにインタビューを行い、その過程で肉食神話がどのように作られていったか、プラントベースの食事がいかに人間本来の食事としてふさわしいのか、また肉食がどれだけ環境に悪影響を及ぼしているのか、などが明かされていきます。

 

私のように長年ヴィーガンで生きてきて

「そんな食事ではいつか病気になるよ」

「動物性たんぱく質が絶対必要」

「草ばっかり食べて生きていけるか」

 

などと否定的なことを言われ続けてきた人間にとっては、今までの私の生き方に「間違ってないよ」とお墨付きをもらったようで、ヴィーガンが変人ではないと認められる時代がやっと来たんだなと感無量でした。この映画、最高

 

ところが、観た人の感想を色々読んでみると

「こういうプロパガンダ映画に絶対に騙されないように!」なんていうのもあってびっくり。当たり前のことだけど、人はいろいろ。感想もいろいろですね。

 

映画に登場するヴィーガンのトップアスリートたちは、驚くことに私と同じようなことを言われてきた。

 

「菜食で十分なエネルギーがとれるのか?」

「菜食でタンパク質がとれるのか?」

「草しか食べない、大丈夫?」

「肉をくわないとしなびたヴィーガンになる」

 

世の中は「動物性たんぱく質がエネルギーの源だ」という栄養学の一般常識があるから、ヴィーガンと聞くと同じような反応になるのでしょう。でも、もともとは肉食だったトップアスリートたちが菜食を始めてから、自分の体の変化を感じ、よい結果も出せるようになり「肉をやめてから最強になった」「もっと早く菜食にすればよかった」と語っているのは、実に説得力がありますね。

 

全部はご紹介できませんが、そうそうたるアスリートが登場しますよ。

 

世界最高峰と呼ばれるF1ドライバーのルイス・ハミルトン

アメリカウェイトリフティング最高記録保持者のケンドリック・ファリス

ロンドン五輪自転車競技銀メダリストのドッツィー・バウシュ

オーストラリアの400メートル陸上のチャンピョンのモーガン・ミッチェル

ストロングマン選手、世界記録保持者のパトリック・バブーミアン

 

でも私はトップアスリートがヴィーガンということには、実はそれほど驚いていません。この映画にも登場するヴィーガンでウルトラマラソンの王者、スコット・ジュレク氏の本「EAT&RUN」を以前に読んで感動し、彼のヴィーガンレシピも参考にしていたからです😊

 


EAT&RUN 100マイルを走る僕の旅

 

映画の中では最新のテクノロジーによりいろいろなエビデンスが出てきます。遺伝学的にも、身体構造的にも、人間は肉食に適していない。人類の祖先は菜食だった。また、肉食と菜食の体への影響を調べる様々な実験が行われます。ちょっと笑ってしまうような実験もあり、ドキュメンタリーとして観る人を飽きさせない手腕がお見事です。

 

そして、ひと時代前は煙草は健康によいと謳って、スポーツ選手やスターが宣伝に起用され販売促進のイメージ戦略に使われていた話。煙草による健康被害が明らかになってくると、それに代わる新しい市場が必要になり、動物性食品の販売促進が始まった。

 

そのあたりのイメージ戦略については、シュワルツェネッガー氏が語っています。

 

「CMでも言ってた。ステーキこそ男のメニュー、真の男は肉を食べるものだと」

 

映画の最後には肉食の環境への負荷の話が出てきます。ハンバーガーひとつに使用される水はなんと2400リットル! この辺の見せ方やもって行き方は実にうまい。肉食と環境問題はもはや切り離せないことがわかります。

 

こちらの映画「Cowspiracy・サスティナビリティの秘密」も面白いですよ!

 

retoriro.hateblo.jp

 

 一番印象的だったのは、パトリック・バブーミアン氏の言葉。シンプルだけどまさに言い得て妙です。

 

「なぜ肉を食べないのに雄牛並みに強いのか?」

「 でも雄牛は肉をくわないだろ?」

 

すごく面白いので、ヴィーガンじゃない方にもおススメです。予告編だけでも是非観てください! 

www.youtube.com