お米から作る生米パン。初めてその存在を知った時は驚いた。小麦粉に、炊いたご飯を大胆に混ぜて作る「ごパン」はよく作っていたけど、生のお米をそのまま使うとは。
考案したのはヴィーガン料理家のリト史織さんで、今ではパンだけでなく生米スウィーツもたくさん発信している方だ。「米粉を精製する過程で、遺伝子組み換え酵素で処理しているケースがある」ことを知り、米粉に疑問をもったそうだ。
私も生米パンに挑戦した話を以前に書いた。ミキサーで混ぜて焼くだけなので、作り方はいたってシンプルなんだけど、初めてだからあたふたしながら、なんとかもっちもっちのお米のパンができあがった。
今回は白米に春菊を混ぜた「生米ベジパン」を作ってみた。いつもの生米パンの材料に春菊を加えるだけ。米、てんさい糖、塩、菜種油、ぬるま湯、酵母。お米は玄米の場合は前日から、白米は2~3時間水に浸けておく。
浸水してふやけた米と他の材料、刻んだ春菊をミキサーに入れていく。春菊も生のままでいいみたいだ。
ここからがちょっと大変。スムージーと違って、なんせ生米だから、よーく混ぜないといけない。側面に付いてしまった生米をゴムベラで何回か下に落とす作業を繰り返しながら、混ぜていく。ざらつき感があったらNG。
なめらかになったら、型に移してラップをして発酵させる。まだあんまり膨らんでないかな。色はすごくきれいだ。春菊の濃い緑が薄いグリーンになっている。
発酵を待つ間に、パンにつけるペーストを2種類作っておく。なんとなく、色を合わせたくて春菊ペーストとアボカドペーストを作ってみた。
春菊ペーストは、春菊とクルミ、オリーブオイルに塩・胡椒。このペーストを作っておくと豆乳で伸ばして簡単にスープができるし、春菊クッキーもできるのでとても便利だ。
アボカドペーストは、アボカド、リンゴ酢、ヘンプオイルに塩・胡椒。別名アボカドマヨネーズで、サンドイッチや揚げ物にもよく合う。
発酵したら、180℃に予熱したオーブンで30分焼く。初めて作る春菊の生米パン。どんな感じに焼きあがるかワクワク。
真ん中がゆるい感じがしないでもないけど、よく焼けてるみたい。持ってみたら、ずっしりと重い。パンってこんなに重かったっけ?さすが生米パンだ。食べる前からもっちもっちしているのがわかる。
今日は緑のオンパレード。春菊は春という漢字が入っているから、春菊パンは春が待ち遠しい今頃にはぴったりかなと、後から思った。2種のペーストに、きゅうりのピクルス、セリも添えて春待ちプレートが完成。
なんか、パンと言うよりお餅を食べているみたい。とにかくもちもち感がすごい。噛んでいると春菊の香りが口の中に広がって来る。
酵素玄米と生米パン。やっぱり米だなぁと実感する。この2つがあれば最強だ。生米パンを食べたからか、元気・やる気がモリモリ出てきて、雑穀生米パンとか、小豆生米パンとか、いろいろ作ってみたくなってきた。生米パンを考案したリト史織さん、本当にすごいな。