今週のお題「現時点で今年買ってよかったもの」
私の「今年買ってよかったもの」は、かなり個人的なものだ。だから、お助け家電とか、便利グッズとか、他の方の参考になるようなものではない。誰かの役に立つ情報ではないけれど、個人的にすごく楽しくて「こんなの見つけたよ」と、伝えたくなってしまった。
それはフリマアプリで偶然見つけた「HERB DECODER（ハーブ早見表）」というハーブグッズだ。長年ハーブに携わってきたけど、こんな可愛いもの見たことなかった。
中を開くとこんな感じで、3つの円盤が出てくる。裏側にもう１つあるので、全部で４つだ。
紙のおもちゃみたいと侮ることなかれ、たった15㎝四方の中に、なんと36種類ものハーブの情報がぎっしり詰まっているのだ。しかも10項目が一目瞭然に整理されている。
１ ハーブのラテン名
２ 性質
３ 特有な使い方
４ 種まきの時期
５ 土の状態
６ 日当たり具合
７ 間引き距離
８ ハーブの寿命
９ 使用する部分
10 ハーブの挿絵
外側の円にハーブの名前が書いてあって、調べたいハーブの所に円盤を回して合わせると、情報が得られる。
例えば、今うちの庭でいちばん気持ちよく咲いているポリジ。
ポリジにはどんなことが書いてあるのかなと、円盤を回すと。
庭のポリジにそっくりなイラストが。そしてサラダやジュースに利用するとある。ハーブティーならわかるけど、ジュースとは知らなかった。フォークのマークは料理用という意味で、十文字は薬用という意味。
なんか楽しい！くるくると手で回すだけなんだけど、遊び感覚で童心に返って楽しめる。
もうひとつ、ナスターチウムをやってみる。私はピリッとした葉っぱをよくサラダに使っているけど、サラダって出てくるかな。
円盤を回してナスターチウムに合わせてみると。
こちらもまさにうちのナスターチウムとそっくり、黄色とオレンジの花、特徴的な葉っぱのイラストだ。そして「サラダ、サンドイッチ」と書いてある。よかった、使い方あってた。使用部分は花と葉なので、エディブルフラワーとしてお花も食べられる。Fはフレッシュ、Dはドライの略みたい。
なんか受験生になった気分。クイズ感覚で、円盤を回しながら答え合わせするのが、すごく楽しい。お風呂のマークや虫のマーク（防虫作用）、化粧瓶のマークなど、用途が一目でわかる。
面白いマークを見つけた。ちょっとびっくり💀どくろマーク。36種類の中で、ただ一つセントジョンズワートのところだけにあった。これは別に毒草ということではなく、家庭での使用には注意が必要という意味だ。
メディカルハーブは使用に当たり、「メディカルハーブ安全性ハンドブック第２版」によって安全性・相互作用がクラス分けされている。クラス１、クラスAのハーブは問題ないが、中には妊娠中は禁止とか、腎臓疾患のある人は禁止、治療薬との関係で相互作用が働く等、注意が必要なハーブもある。セントジョンズワートもその一つなのだ。
この早見表だけでは詳しいことは知り得ないけど、虫や染料のマークから「虫除けスプレー作ってみようか」「ハーブ染めって難しいのかな」などと、自分で自然と調べたくなってくるから不思議だ。
いろいろ回して楽しんでいたら、発見もあった。タンポポを見ると「根はコーヒーの代用品」とある。知ってる知ってる、タンポポコーヒーは有名だ。びっくりしたのは「花でビール、ワイン」と書いてあったこと。
花でビールやワインを作るってこと？どういう意味？
そう言えば、ずっと昔に「たんぽぽのお酒」というレイ・ブラッドベリの本を読んだことがあった。もしかしたらあれのことなのか。たしか主人公の少年のおじいさんが、毎年夏にたんぽぽをワインに漬け込んで、冬に完成するんじゃなかったかな。夏の空気や色や思い出まで瓶に詰めこんで。
調べてみたら、日本でも「たんぽぽのお酒」を作っている人がたくさんいた。ホワイトリカーに、たんぽぽと氷砂糖を漬け込むようだ。利尿、健胃整腸、痰きり、咳などに効くという。物語の世界が急に身近な話になったようで、なんだかうれしい。
このおもちゃみたいなハーブ早見表、くるくる回して見ているだけで、思わぬ発見や広がりがあり、昔の読書体験まで蘇るというおまけつき。楽しすぎて、私にとって間違いなく「現時点で今年買ってよかったもの」だ。
この商品は検索しても出て来ないので、今は販売されていないようだ。何年ぐらい前のものなのかはわからない。ただAmazonでは英語版が10,399円で出ていた。（現時点）
私はフリマアプリでハーブの本を探している時に、偶然見つけた。モノとの出合いは絶妙なタイミングで起こるものだなぁ。誰かにとって不要になったモノが、他の人のお宝になる。本当にありがたいことだ。
