ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

ハーブでお屠蘇を仕込みました

お酒の飲めない私はお正月にお屠蘇を飲んだことがありません。両親も全く飲めなかったのでお屠蘇には縁がありませんでした。だからお正月に飲む日本酒のことを特別に「お屠蘇」と呼ぶのだとずっと思っていました。

 

ところが「日本のハーブ」について学ぶうちに、お屠蘇とは屠蘇散という生薬を日本酒やみりんに浸けこんでお正月にいただく縁起の物だと知り、日本文化を全然知らない自分に呆れてしまいました。

 

屠蘇とは「邪気を屠り、心身を蘇らせる」ところから名付けられたとのこと。

 

日本には平安時代に中国から伝わり、宮中で屠蘇を飲む習慣から民間の風習へと移っていったそうです。

 

一人で飲めば一家に疫なく、一家で飲めば一里に疫なし

 

そんな歴史と伝統のあるお屠蘇。いくらお酒が飲めないと言っても、来年からは私もきちんと邪気を屠り、心身を蘇らせ、新しい年の健康と無病息災を祈りたい。一口でも絶対飲もうと今からその気満々です。

 

屠蘇散は、中国大陸の三国時代の医師、華陀による処方で流行病を予防するために考案されたそうです。生薬は肉桂・山椒・防風・桔梗・白朮・乾姜などですが、「屠蘇散」というお屠蘇用の生薬セットがアマゾンで売っていました。

 


高野山の開運お屠蘇(屠蘇散)

屠蘇散を購入して日本酒に仕込んでもよかったのですが、せっかくなので和ハーブなど手に入る材料で浸けてみることにしました。

 

用意したのは、ドライで茴香(フェンネル)生姜丁子(クローブ)シナモン和薄荷・生の柚子の皮

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フェンネルだけは前もって潰しておきます。潰すとスパイシーないい香りがします。

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これらを瓶に入れて日本酒を注ぐのですが、自然療法の先生が「ラム酒もイケる」とおっしゃっていたのを思い出し、心がそちらに動いてしまいました。

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初めて作るので、少なめに仕込みました。薬草たちのコラボ、どんな味になるのでしょうか。

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かなりスパイシーなお屠蘇になりそうなので、これとは別にオリジナルで優しいお花のお屠蘇も仕込んでみました。これをお屠蘇と呼んだら怒られるかもしれませんが、自己流お屠蘇の変わりバージョンということで大目にみてください。

 

菊の花クコの実ローズ山査子にアクセントで生姜も選んでみました。女性によいと言われる温め効果のある素材。

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きれいな色を楽しみたかったので、こちらは透明なウォッカにつけることにしました。お屠蘇からはどんどん遠ざかっている気がするけど。

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小さな瓶に少しだけ。やっぱり見た目が愛らしいのはお花ですね。

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2週間~1ヶ月ぐらい浸けたら漉して完成。どんな味になるか今から楽しみです。お酒が1滴も飲めないのに、ノリで2種類も作ってしまってどうしましょう。

 

正月早々、真っ赤な顔で酔っぱらったら、邪気を祓うどころじゃないですね。何かやらかしてしまいそう。薄ーく、お湯割りがいいかなぁ、、なんて、どんどん横道にそれてお屠蘇じゃなくなっちゃいますね。

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昔は大晦日に家の井戸の中に吊るして浸したものを、元旦にいただいたりする風習もあったそうです。風流でいいですね。

 

自然療法については、元々ハーブが好きだったのでハーブの世界から入り、薬草学の母ヒルデガルトに出会い、修道院ハーブ、ホメオパシー、生命組織塩、フラワーエッセンスと興味の幅が広がり、巡り巡って今は「日本のハーブ」を学んでいるところです。

 

因幡の白兎のお話が、日本における最初の薬の記録だと知って感動しました。大己貴神(大国主命)が皮を剝がされたうさぎを真水で洗い、止血と消炎のために蒲の穂綿を塗ったのが始まり。

 

神話と歴史と自然療法。今更ですが、やっぱり日本文化ですね。先人の知恵を学んで、少しずつでも生活の中に活かしていくのが目標です。

 

ここまで日本メディカルハーブ協会の「日本のハーブセラピスト」テキストを参考・引用致しました。

 

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