ずっとヴィーガン暮らし

菜食と薬草のおうち歳時記

筍ステーキ、そう呼んでよいものか

今週のお題「シーズン開幕」

 

私にとっての「シーズン開幕」は、春野菜です。近所の直売所に行ったら、芹、クレソン、蕗、ふきのとう、タラの芽、うど、菜の花、新玉ねぎ、そら豆などが所狭しと並んでいて、まあうれしいこと!春と言ったら、桜の次はやっぱりこの時期ならではの春野菜ですよね。

 

なかでも一番存在感が大きかったのは、ズバリ筍です。皮付きのもの、茹でたものが、一角を占めるようにどーんと並んでいました。すぐに食べたいので、茹でてある大きめの筍を買って帰りました。

 

筍ご飯や土佐煮も美味しいけれど、私が作りたいのは大胆な筍ステーキ。まずは太いところを厚めに切って、ごま油を熱したフライパンで焦げ目がつくぐらいにしっかり焼きます。醤油、酒、味醂をかけて、味が染み込むようにじっくりと焼き上げて取り出しておきます。

そのフライパンにごま油を足し、刻んだニンニク、ネギ、胡桃、鷹の爪を入れて炒めます。筍にのせたらできあがり。黒コショウをふっていただきます。

うーん、香ばしい。コリコリした食感がたまりません。最近はカリフラワーも大きな断面を大胆に焼いて食べる「カリフラワーステーキ」をよく見かけます。私も大好きで、ピリ辛の醤油味やカレー味、また豆乳ベースのクリーム味といろいろ楽しんでいます。

 

ところが、朝日新聞で次のような記事を見かけて驚きました。EUではプラントベースフードに対して「ステーキ」「バーガー」「ソーセージ」といった食肉に関する名称の使用を規制する動きが強まっているというのです。

www.asahi.com

「ステーキ」「バーガー」「ソーセージ」などは本来肉料理の名称で、大豆などのいわゆる代替肉を使った製品にこれらの名称を使うのはNGという方向で、法制化が進められているとのことです。

 

畜産業界からは「伝統的な名称を乱用している」と禁止を求める声が多く、一方で代用肉業者からは「販売方法をわかりやすくする表現だ」と反発の声が上がっているそうです。日本よりずっとヴィーガンの人が多い欧州では、こんな名称まで問題になっているのですね。

 

私はもう長いこと菜食生活ですが、昔からマクロビレストランでは「大豆ハンバーグ」「豆腐ステーキ」「こんにゃく唐揚げ」なんてメニューが普通にありました。今ではスーパーにも「畑のお肉」「大豆ミート」「豆腐ソーセージ」が並んでいるし、モスのメニューに「グリーンバーガー」もあります。

 

実際「ステーキ」「ハンバーグ」「バーガー」「ソーセージ」「ミートボール」という言葉を使わなかったら、どう表現したらよいかわかりません。黒豆ハンバーグや蓮根ハンバーグはよく作りますが、あの楕円形に焼いたものを何と呼んだらよいのでしょうか。「お焼き」? なんか違うなぁ。

 

ヴィーガンの人は定番料理を植物性素材で作るのが当たり前なので、そういう呼び方にすっかり馴染んでいるのです。高きびミートソース、蓮根ミートボール、エリンギソーセージ、おからハンバーグ等々。

 

そう言えば、日本でも最近よく見かけるようになってきた「アーモンドミルク」「オーツミルク」などのプラントミルクも、ヨーロッパでは「ミルク」の表示が禁止されているそうです。こちらも肉同様に論争を経て、今では"oat milk"は"oat drink"と表示しなければなりません。(アメリカではOK。またココナッツミルクは伝統的に使用されているのでOK)

 

右は日本で作られているアーモンドミルクで、左はイギリスから輸入されたオーツミルク。側面の日本語には「有機オーツミルク」と書かれていますが、英語に"milk"という表記はありません。

私は牛乳は飲めませんが、ミルクという言葉の響きがとても好きなので、植物性ミルクを乳成分が入っていないという理由で、ミルクと呼べないとなるとちょっと寂しい気がします。

 

日本では今のところ植物性商品の名称について、なにか問題があるという話は聞きませんが、この先どうなるかはわかりません。立場によって考え方も違うので、よかれと思ったネーミングが反発を買うこともあるのでしょう。

 

ステーキやハンバーグなど皆が知っているものを、いざ別の言葉で表現しようとすると難しいものですね。そうかといって、菜食料理にいちいち「~風」「~もどき」を付けるのも、なんだか永遠に脇役、偽物みたいで残念感が漂います。

 

個人的には、やっぱり「筍お焼き」ではなく「筍ステーキ」と呼びたいのです。大きく、厚く、こんがり焼いたものは、まさにステーキのイメージ。豆腐ステーキ、カリフラワーステーキ、そう呼んでもいいと思いませんか。(本物のステーキは食べたこともありません。笑)

 

 

retoriro.hateblo.jp

 

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