ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

リトルフォレストのクルミご飯

自然食品のお店に行ったら、殻付きのクルミが売っていました。うわぁ~珍しい。殻付きクルミはもちろん、イガイガ付きの栗もなっている(落ちている?)ところは見たことがありません。森の生活はどんなだろうなぁ。

 

クルミですぐに思いつくのは映画「リトルフォレスト」に登場したクルミご飯

 

都会の生活に馴染めず、逃げるように東北の地元に戻って来た主人公が、小さな集落で自給自足の一人暮らし(母は出て行った)をするのですが、その自炊っぷりがすごい。

 

つくしの佃煮、ノビルのパスタ、山菜の天ぷら、黒米の甘酒、栗の渋皮煮、凍み大根、干し柿・・。合鴨農法で飼われていた合鴨まで自分で絞めて料理する。

 

「この若さで、こんなに地に足をつけた生活ができるのか」と私は感動したのですが、主人公は出て行った母を思い、また地元に根を下ろす決心もつかず、悩みながら暮らしています。そんな姿が美しい東北の自然とともに四季を通してじっくりと描かれます。

 

映画館で見た後、その料理に釘付けになった私は、DVDが出るや否や借りてきてレシピを再チェック。中でも一番心惹かれたのは、この「クルミご飯」でした。まったく聞いたこともなかったからです。

 

クルミを炊き込みご飯に?そんな料理あるの?地方独特の料理?

 

いつか作ってみようと思い、手帳にメモしたまま忘れていました。今回殻付きのクルミを見て、あのクルミご飯を作ってみようと思い立ったのですが、古い手帳を何度めくって探しても、メモがなかなか見つかりません。

 

でも、時代は変わったんですね。そんな記憶を頼らなくても、ちゃんとYouTubeにありましたよ。

 


[2nd Dish] クルミご飯 - リトル・フォレスト 秋

 

さっそくクルミご飯にチャレンジ。まずはクルミを割るところから。

f:id:retoriro:20201117170701j:plain

次に、ペースト状になるまでクルミをすり潰します。これが結構大変、根気がいる作業。少しぐらい粒々があった方が美味しいんじゃないかな。

f:id:retoriro:20201117171014j:plain

 クルミの量が少ないので、お米も1合だけです。研いだ米に醤油大匙1、酒小匙1をまぜ、すり潰したクルミを混ぜます。 

f:id:retoriro:20201117170936j:plain

いつもは一人用のお粥を炊く小さな土鍋で炊いてみました。うまく炊けるかな~

f:id:retoriro:20201117175122j:plain

いい香りがしてきて、初めてのクルミご飯がなんとか無事に炊けたようです。
 

映画では稲刈り作業中のお弁当なので、クルミご飯のおにぎりが3つも入っていて驚きましたが(主人公役の橋本愛さんが美味しそうに食べていました)私は農作業もしてないので、ほんのひとつ。ちょっと大きめに。

f:id:retoriro:20201117171542j:plain

おこげもできていて、香ばしく美味しかったです。コクがあって初めての味。こんなおにぎりもあったんですね。

 

 ところで、岩手県の沿岸部ではおいしいものを食べた時に「くるみ味がする」と言うそうですよ。昔はハレの日にクルミを食べる風習があったそうです。

 

そして中国ではクルミは「助陽薬」と呼ばれ、体に不足している陽気を補って、不眠症ノイローゼに効果があるとされてきたそうです。脳と言えばやっぱりクルミ、形が似ているから助けてくれるんですね。

 

映画では、川沿いに落ちているクルミをたくさん拾ってきて、それを一旦庭に埋めます。しばらくして表の殻が黒く腐って来たら、取り出して洗い、網に入れ吊り下げて干していましたよ。保存の知恵、すごいなぁ。

 

ビニールに入ったクルミしか知らず、殻がついているからと喜んでいる自分の生活。自然とともに自給自足をしている人と比べたら、まるでおままごと。なんだか情けないような笑っちゃうような。自給自足は無理でも、せめてご飯ぐらいは一生懸命作ろうと思いました。