とても素敵な本に出合いました。
「世界を変えた100の科学者 ダーウィンからホーキングまで」
一応子供向けの人物図鑑のような大型本で、すべての漢字にはふり仮名がふってあります。その人物の功績や世界に与えた影響が写真・イラスト・図形と共にわかりやすくまとめてあり、また「まめちしき」など追加話もたくさん盛り込まれていて、とっても面白い本です。
子供向け?とんでもない、私が読んでも「ふむふむ」「へえ~」「知らなかった!」と楽しくてたまりません。
どんな人物が登場しているかと言うと、100人以上ですからとても書ききれませんが、
アリストテレスから始まって、ダーウィン、メンデル、パスツール、キュリー家、ダヴィンチ、ガリレオガリレイ、ニュートン、アインシュタイン、ヒッグス、ホーキング、ワット、レントゲン、ノーベルなど、そうそうたる顔ぶれです。
そして忘れてならないのが、「ガイア理論」のジェームズ・ラブロックや「沈黙の春」のレイチェル・カーソン。彼らが人間の活動と地球に及ぼす影響を結びつけ、警鐘を鳴らしてくれたから、環境保護の意識が現在へと受け継がれました。
なぜ私がこの本を買ったかと言うと、なんと私が学んでいる中世最大の賢女と言われる「薬草学の母 ヒルデガルト」が登場しているからなんです。
正直驚きました。だって世界を変えた100の科学者ですよ。ヒルデガルトは薬草学・医学だけでなく劇作家、詩人、作曲家としても多くの作品を残し、マルチな活躍をした女性ですが、科学者という括りのなかに入るんだと驚いたわけです。
この本では「自然への愛と文才で中世医学の発展を助け、作曲家としても名を残した修道女」と紹介されています。
血液循環の向上や精神疾患の治療など、当時としては先進的とみなされる医学に関する記述もある
そして私にとってうれしかったのは、植物療法を勉強していると必ず登場する人たち、医学の父ヒポクラテス、現在の薬学製剤の基礎を作ったガレノス、今のアロマテラピーの基礎になる植物の蒸留法を確立したイブン・シーナが登場していることです。
西洋医学が主流の現在では、植物療法などの代替療法は脇役になっていますが、歴史をみるとはるか大昔から続いていた植物療法にこそ、現代医学へと繋がる基礎があることがよくわかります。
面白いのは「ちなみに、、」という吹き出しがあって、いろいろな人物が自分語りで告白しているところです。
「ちなみに、私は学校でいじめられ、変人というあだ名をつけられていました」
「ちなみに、私は研究室の同僚と衝突することが多く、DNAのダークレディと呼ばれていました」
「ちなみに、熟したバナナをショウジョウバエのエサにしていました。私の部屋を訪れた人にとっては耐え難いにおいだったことでしょう」
歴史上の偉大な人物も、生活感があってなんだか身近に感じられますね。
この本を読んで、名前だけは知っていたけど誰が何を発明したのか、世界にどんな影響を与えたのか、実はよく知らなかったことに気づきました。そして過去の人物の功績が次の世代へ受け継がれ、また新たな発見や発展に繋がっていることがよくわかりました。
裏表紙の言葉通り、まさに「彼らがいたから今がある!」ですね。