ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

陰陽の食養生を学びに奈良へ

中学校、高校ともに修学旅行は京都・奈良だった。いろいろ回ったはずだけど、やっぱり大仏様と鹿が印象に残っている。

 

そして今回、何十年かぶりで再び奈良を訪れた。ずっと以前から「マクロビの師」と仰いでいたオオニシ恭子先生のワークショップに参加したのだ。

 

オオニシ先生について簡単にご紹介すると、著書のプロフィールには「食養料理研究家の桜沢リマ氏(マクロビ創始者の桜沢如一氏の妻)に学んだのち渡欧。32年間ヨーロッパでマクロビの普及に努めた。2013年に帰国し、奈良・初瀬の地で『やまと薬膳』の活動を開始した」とある。

そのご活躍ぶりは、雑誌などでもよく拝見していて、以前からファンだった私は「いつかお会いしたいな、直接習ってみたいなぁ」とずっと思っていた。

 

そんな時、ニールズヤードさんからワークショップのご案内をいただいたので、即決で申し込んだら、あっという間に満席・受付終了になってしまい、人気の高さに驚いた。ぐずぐずしてたら間に合わなかった。人生はタイミングで動いていく。

 

ワークショップの前日に奈良入りし、ワクワクしながら当日を迎えた。先生のスタジオはJR奈良駅から電車で1時間ほど離れた、長谷寺の近くにある。グーグルマップを頼りに歩いて行くと、こちらの瓦屋根の家に辿り着いた。趣のある佇まいだ。

どうやら参加者は20名ほどらしい。私のように遠方から来た人もいるみたい。初めて会う方たちとの一期一会の学びの会だ。

 

雑誌でよく見ていた、憧れの「やまと薬膳」のキッチン。自分が今、この場にいるなんて、感無量を通り越して不思議な感覚だ。想いが強ければ、まるでお膳立てされたように、気がついたら実現しているんだなぁと実感。

清潔感溢れるブルータイルのキッチン。ここでどれだけの人が学んだのだろう。

皆が揃うまでの時間を利用して、写真を撮らせてもらう。うわぁ~見つけた!と思わず走り寄ったのは、陰陽の丸いボード。「これ、実物を絶対見たいと思ってたんですよ」と知らない方に話しかけてしまうほど、興奮してしまった。手作り感あふれる、先生オリジナルの教材だ。

いよいよ先生が登場され、ワークショップが始まった。前半は陰陽の食養生について学び、後半は調理実習で、実食も含まれる。

 

テーマはいたってシンプル。今の自分の体調に最も適した「自分食」を見つけていくための「食の方程式」を身に付けることだ。キーワードは「陰陽」

 

まず、33項目のチェックリストに答えることで、自分の体調の現在地点を知る。これは体質ではなく、変化するものだそうだ。

 

たとえば「睡眠が長い・どちらでもない・短い」「ぐずぐずしている・どちらでもない・テキパキしている」「待ち合わせに遅れる・どちらでもない・時間より早く来る」等々。

 

絶対これだと当てはまるものもあれば、どちらでもないなぁと思うものもあり。それぞれの点数から合計点を出していく。点数により、極陰・陰・やや陰・中庸・やや陽・陽・極陽に分類されるのだが、私はちょっと陽よりの「中庸」だった。

 

自分では「やや陰」だと思っていたので意外だったが、奈良まで来るという積極的な行動に出たりして、陽傾向になっていたのかもしれない。

 

7つのタイプ、それぞれの性質や食の偏りなどの説明を受け、何をどのように食べて中庸に近づけていけばよいのかという「食の方程式」について詳しく学んだ。

 

講義の後は、いよいよ調理実習だ。エプロンと三角巾持参ということだったので、かなり緊張していたが、今回は人数が多いので先生と助手の方だけでデモンストレーションすると言われ、思わず心の中で「ラッキー」と叫んでしまった。正直ほっとした。

同じ食材で、陰性料理と陽性料理を作るというので大変興味深い。豆腐とネギでも、レモン煮は陰性、味噌焼きは陽性になる。デザートのリンゴも冷やして寒天にすると陰性、焼いてタルトにすると陽性になるそうだ。

 

食材の持つ陰陽の性質だけでなく、煮る・焼くなどの調理方法でも陰陽が変わってくるというのは、目から鱗、なんて奥の深い世界なんだろう。

陰陽2種類の料理を食べ比べる。玄米ご飯も麦入りは陰性、蕎麦の実入りで浜納豆をかけたものは陽性だ。とにかく美味しい。五臓六腑に沁み渡るとはこのことだ。体が喜んでいるのがわかる。

 

写真には写っていないが、他にも根菜スープと豆腐のレモン煮がある。

同じ素材でも、自分の体調が陰に偏っている時は、じっくり煮たり焼いたりした陽性料理を食べ、陽に偏っている時は、サラダや和え物など陰性料理を食べる。逆のものを意識的に取り入れて、陰陽を調整しながら中庸に近づけていくのが食の方程式だ。

 

何も考えずに、習慣のように、毎朝スムージーを飲んだりするのはやっぱり違うし、玄米を食べたくない時だってあるはずだ。

 

32年間もヨーロッパ各地で食養生を指導されてきた先生のお話は、大変おもしろく説得力があった。震災をきっかけに「食で日本を再生したい。絶対に日本に帰ろう」と帰国され、東北に出向いて活動されたそうだ。

 

奈良の1dayレッスンは、中身がギュッと凝縮された、濃い時間だった。若い時にマクロビに出合って、ずっと菜食生活を続けてきたけど、まだまだ知らないことだらけ、大いに刺激をもらった。この1食だけで、エネルギーが湧いて来るような体の変化も実感したので、やっぱり食の力はすごいものがある。「自分食」の探究を始めようと思った。

 


なにを食べるかはからだが教えてくれる。


砂糖をやめて元気で医者いらず

 

オオニシ恭子のやまと薬膳

 

 

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