世の中は物事を二つに分けて語ることが結構あると感じます。人にも朝型、夜型? 犬派、猫派? インドア派、アウトドア派? なんて気軽に尋ねたり。味覚も甘党・辛党など。二分してとらえると確かにわかりやすい。
植物療法を学ぶ前は、陰陽に関してもなんとなくそのようにとらえていました。太陽が陽で月が陰、男が陽で女が陰等々。
学んで行くうちに、陰陽は固定したものではなく、常に巡っていることに今更ながら気づいたのです。
一般的に陰陽の性質を持つものの分類をみると次のようになります。
陰・・女、冬、夜、西、北、水、暗、下、裏
陽・・男、夏、昼、東、南、火、明、上、表
ハーブの勉強で出てきたのですが、人間の体は背中が陽でお腹が陰、体表が陽で体内が陰、気は陽で血と水は陰という性質を持つ。
背中が陽って何故?と思いました。なんとなくお腹は前を向いているし、背中は背面で裏のイメージ。そしたら人間は元々四つ足動物で背中に太陽が当たっていたからなんですって。面白いですね。
こんなふうにわかりやすく分類するとどうしても固定的なイメージになりますが、朝太陽が昇り、夜月が出て1日は巡り、季節も巡り、地球も巡り、私たちの体も血が巡り気が巡り。
陰と陽は互いに対立するものでありながら、依存し合い、一方のみでは存在できません。
陰陽は一定のリズムで、バランスを取り合っているのです。(日本メディカルハーブテキストより)
陽が強くなったり陰が強くなったりしながら、常にバランスをとろうとしているのですね。
とても興味深い話を読みました。アロマの施術をするサロンには、リラックス効果を求めて来る方が多いそうです。仕事等で交感神経が高ぶって、眠れない、イライラするなどの症状がある。
マニュアル的に考えると、リラックス作用のあるラベンダーやカモミールが効きそうですが、そういう香りで気分が悪くなる方がいるとか。体は正直ですね。
「今、陽の状態にいるから陰を」という単純な話ではなく、陽の状態で巡りが止まっていてバランスを崩しているわけだから、その巡りを動かしたい。
陽を刺激するために、あえて教科書的には逆効果になりそうな活性力の高い(リラックスではない)香りのオイルを使うと、ご本人が「癒されますね~」とリラックスできる場合があるそうです。
陽が極まると陰になる→陰陽転化
大泣きしている子供も泣き疲れるとケロッと泣き止む。大人は感情を出し切れないから、極まって転ずるというのは難しいかも。それでもため込んで止まっていては巡らないから、意識して泣ききる、怒りきる、感情を出し切るのがいいのでしょうね。
逆に落ち込んでいる時なんかは明らかに陰ですよね。そんな時に「頑張らなくては」とあがいても無理。とことん落ち込んでしまうと、案外ばかばかしくなって自然とまた動き出せたりする。こういうのも陰陽転化なんでしょうか。
アロマの話は小林ケイさんの本を参考にしました。↓
月と太陽のアロマセラピー 〜氣・陰陽・五行で人生を巡らせ 「本当のわたし」を生きる! 世界でたった一人の自分のために。〜
改めてよく見ると、陰陽の太極図はよくできていますね。陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある。そして半分にきっちり分かれていなくて、お互いの領域にはみ出していて、それでも流れるようにバランスを保っている。図が巡りを表現していることがわかります。
陰陽について考えていたので、黒米のお粥も陰陽スタイルに💛
心も体も滞らずに巡らせたい。
体は気血水が巡っている状態がいい。瘀血・水毒なんて言葉もあるように、巡らないと病気になってしまいます。陰とされる血・水は自力で動けないから、陽である気の力を借りないといけません。気を巡らせることで血・水も巡るようになる。
気は目に見えないけど大切なんですね。だから気のつく言葉も多いのでしょう。
それでは気を巡らすにはどうしたらいいのか。中国には昔から太極拳や気功などがあるけど、それも中国の叡智なんでしょうね。
私はやっぱり天人合一、地球の巡り、天の巡りに合わせていくのが一番だと考えています。
季節の巡りに調和して生きる。自然からの陰陽の影響を受けながら、自分の中の陰陽を巡らせて中庸を探していく。それに尽きると思います。