ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

話題の映画「ミナリ」と春野菜のビビンバ

アカデミー賞最有力候補と言われ、注目されている映画「ミナリ」

 

日本でも公開が始まったので、早速観て来ました。昨年の「パラサイト 半地下の家族」に引き続き、韓国映画が受賞となるのでしょうか。

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ネタバレになるので詳しい内容は書けませんが、アメリカにやってきた韓国人の移民家族のお話です。

 

移民家族と言うと、自分とはかけ離れた境遇で接点のない話かなと思いますが、すれ違う夫婦の心情が細やかに描かれ、共感できる部分が多かったです。

 

夫は農業で一旗揚げようと一大決心をし、田舎の荒れた土地を購入して家族で引っ越して来ます。大きな夢を描いているので、やる気満々で作物を植えて頑張ります。

 

一方妻は、夫については来たものの、成功するかどうかもわからないことに貯金をつぎ込んでしまったので将来に不安を感じ、とにかく日銭を稼ごうと、雛を雄と雌に分ける選別の仕事に明け暮れます。

 

夫は子供たちの将来を考えて、大きな成功を夢見る。

妻は子供たちの将来を考えて、今を懸命に生きる。

 

どちらも一生懸命なのですが、次々起こる困難や生活苦が夫婦を追い込み、喧嘩が絶えません。

 

そんな娘を助けようと韓国から母親が食材をいっぱい持ってやって来て、一緒に暮らすことになるのですが、アメリカで生まれた下の子は韓国を知らないので、文化の違うおばあちゃんに馴染みません。

 

そんな苦労の連続の移民生活の中で、象徴的に描かれるのがミナリ(芹)です。おばあちゃんが植えたミナリが驚くほどの繁殖を見せ、家族の希望につながっていくのです。

 

タイトルの「ミナリ」は、たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。(映画のチラシより)

 

春野菜の芹は大好きな野菜ですが、そんな深い意味があったとは、全く知りませんでした。とても強くたくましい野菜なんですね。

 

映画を観たら、急に芹を食べたくなりました。ちょうど旬。新鮮な芹がたくさん売っていましたよ。

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韓国映画を観たので、料理もちょっと韓国風に。まずは芹とクルミのナムルを作りました。さっと湯がいた芹と炒って砕いたクルミを醤油、味醂、塩麹、ごま油で和えました。

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お次は春野菜のビビンバです。ナムルは芹の他に、前もって作っておいた大根ナムル、椎茸ナムル、後は茹でたアスパラとそら豆、生のクレソン、ミョウガを載せました。

 

ご飯が全く見えませんが、ちゃんと下に敷いてありますよ。コチュジャンも海苔の下に。

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野菜ばっかりですが、サラダと違ってご飯もしっかりある「野菜丼」なので、お腹がいっぱいに。春野菜の苦みとコチュジャンのピリ辛で元気が出ました。

 今まで何の気なしに食べていた芹ですが、これから春に芹を見るたびに映画「ミナリ」を思い出しそうです。

 

新しい土地に植えられても、たくましい生命力で根を張って見事に育った芹が、困難の連続の移民生活を生き抜いて行く家族の姿に重なりました。リアリティのある、とてもいい映画でした。