ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

夏の体は酸っぱいハーブサワーで整える

今がまさに真夏、夏の真っ盛りだ。節電なんて話はいつの間にか聞かなくなって「適度に冷房をつけて」「こまめに水分補給を」と、日に何度も聞くようになった。地球環境が変わり、夏がもはや「危険な暑さ」になったということだ。

 

そんな夏の水分補給に役立つのがハーブで作るハーブサワー。元気なハーブとお酢からパワーをもらって夏バテに備えようと、先月のうちに仕込んでおいた。

 

左からミント2種、セージ、ローズマリー、レモングラス。そのまま冷水に入れてハーブ水でごくごく飲むのもおススメだけど、今回は「ああ酸っぱい、けど生き返る~」というパンチのあるドリンクに。

ハーブを瓶に入れやすい長さに切って、てんさい糖とリンゴ酢を加える。果物で作るサワーは甘酸っぱくて美味しいけど、ハーブサワーは正直そこまで飲みやすくはない。そこがまた薬草っぽくていいところなのだ。

2週間ぐらい寝かせて、ハーブの成分が溶け出すのを待つ。

ちょっとおしゃれなローズビネガーも作ってみた。お料理やドレッシング用だから砂糖は加えないけど、実は夏場のドリンクにも応用できる。いつものお水にひとスプーン加えるだけで、瞬間暑さを忘れるぐらいバラのいい香りで癒されるのだ。まるでバラの魔法水、と言ったらちょっと言い過ぎかな。

 

いつもは薔薇茶で楽しむドライローズの花びらに、リンゴ酢を加えて。バラの甘い香りで、リンゴ酢の酸味もまろやかになる。

こちらも2週間ぐらいでできあがり。今回はリンゴ酢を使ったけど、透明なホワイトビネガーを使うとほんのりピンク色になってきれいだ。

 

できあがったハーブサワーとローズビネガーをさっそく炭酸で割ってみた。ハーブサワーの方はとにかく酸っぱい!もっと砂糖を入れた方が飲みやすかったかな。でもハーブ好きにはこのすっきり感がたまらないのだ。ハーブの薬効がバテた体に染み渡り、生き返った感じがする。

どちらもリンゴ酢を使ったので同じような色になった。左がローズビネガー割りで、ローズマリーを挿したのがハーブサワー。ローズビネガー割りの方はもっと飲みやすく、適度な酸味と優雅な香りが暑さを吹き飛ばしてくれる。

 

子供の頃の夏って、何を飲んでいたかなと思い出してみた。やっぱり麦茶しか浮かばない。時々カルピスとかサイダーとか。今でも麦茶が最高においしいけど、ハーブのおかげで夏の飲み物のバリエーションが増えたということだ。

 

余談だが、先日宮沢賢治の童話「いちょうの実」を読んでいたら、「薄荷水」という言葉が出てきて驚いた。いちょうの実たちがいよいよ旅立ちの日(ぎんなんが落ちる日)を迎えるのだが、落ちる途中で目が回らないか心配している。

僕はね、水筒の外に薄荷水を用意したよ。少しやろうか。旅へ出てあんまり心持ちの悪い時は一寸飲むといいっておっかさんが云ったぜ。

乗り物酔いでめまいや吐き気の症状が出た時に効くのがミントだ。日本の和薄荷はジャパニーズミントと呼ばれ大変珍重され、戦前まで盛んに海外に輸出されたそうだ。うちの庭にも和薄荷があるが、香りは他のミントより圧倒的に強い。

 

まさか賢治の童話の中に、今で言うハーブウォーターが出てくるとは思わなかった。なんて粋でおしゃれなんだ。植物に詳しい賢治はきっと実体験として薄荷水の効果をよく知っていたのだろう。

 

子供の頃は乗り物酔いしやすく、学校の遠足が嫌だったことを思い出した。もしあの頃「いちょうの実」を読んでいたら、酔い止め薬じゃなくて絶対に「薄荷水」を持って行ったのになぁ。