ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

今年の旅は大樹巡礼

始まりはイチョウの木でした。偶然、別々の本からイチョウに関する文を目にしたのです。

「地球上で最も古くからある木で、最も重要な薬用樹木」

「広島の爆心地の焦土から見事に再生した」

 

イチョウの木は、なんと1憶8千万年前からこの地球上に存在しているそうです。血液循環を促進し、認知機能を高めるため、海外では医薬品として使われています。(日本はハーブは食品扱い)

 

 イチョウを始め、昔から人間の治療や癒しにも関係していた木。その生命力の神秘を知りたい、直接触れたいと、いつしか思うようになりました。

retoriro.hateblo.jp

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 そこで考えたのが、大樹巡礼の旅。今年の旅行のテーマです。大げさなタイトルですが、大樹について調べていくうちに、日本にも世界にも大樹をテーマにした旅をしている方が多いことを知ったのです。人間よりもずっとずっと長く生きている大樹に礼を尽くす、そんな旅ができたらいいなと、あえて名付けてみました。

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国の天然記念物に指定されているような有名な大樹を巡る旅も楽しそうですが、時節柄それはしばらく置いておいて、まずは気軽に行けるご近所から巡ることにしました。

 

間違いなく大樹に出合えるのは神社。そこには必ずと言っていいほど大樹があって、場を浄化し、静謐な空気を生み出しています。

 

こちらは神社にあった樹齢1000年の大楠。高さは何メートルあるのでしょうか。天まで届きそうな高さです。

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根元の部分はこの太さ。ここから一番てっぺんの枝や葉まで養分を送るなんて、木の内部はどうなっているのでしょう。根はどれくらい深いのか。

 

1000年も昔から、この場所にずっと存在し、様々な歴史を見たり感じたりしてきたのでしょうか。栄養は地面から吸い上げる水と太陽の光だけ? そう考えるともうすごいとしか言えません。人間はあれもこれもと食べないと生きられないのに。

 

アロマの世界でも、この木のようにグランディングしたい、地に足つけて生きていきたいと思っている時は、アイリスやアンジェリカのような根のオイルの香りに共鳴するそうです。

フラワーエッセンスの世界で見ると、過度のストレスなどで完全に消耗しきっている時は、2000年も生きるという生命力にあふれたオリーブの木のエッセンスがよいとされます。まさに「植物の力を借りて」ということですね。

 

神社じゃなくても街中にこんな可愛い木がありましたよ。とにかく高い。見上げる高さですが、あそこから地上を見下ろしたら、どんな景色が見えるのでしょう。

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どこへ旅行に行ったわけでもないけれど、大樹を見て、触れて、感じただけで本当に癒されました。写真集で紹介されているような大樹でもなく、いわば無名の木ですが、そこにいるだけで神々しい存在感。

 

そしていつになるかはわかりませんが、必ず行きたいのが「被爆樹巡礼」の旅です。

 

「75年間は草木も生えない」と言われた焦土ヒロシマの街に蘇った木々たち。折れ曲がった幹から、黒焦げの枝から、幹も枝も失った土の中から芽を出して蘇ったと言います。

焼け野原に芽吹いた、小さな緑に人々は勇気づけられ、生きる希望を取り戻したと伝えられています。(「被爆樹巡礼」より)

 

「なぜ被爆樹は蘇ることができたのか」という問いに 、樹木医の正本大さんは

 

「木に生きるエネルギーが残っていた」とその生命力の凄さについて語っています。

 

普段は眠っていて、木が死の危険に晒された時に眠りから覚める「休眠芽」が芽を出した。地上部は被爆しても根本には復活させるエネルギーが残っていた。

 

言葉では表現できないぐらい凄まじい話だと感じました。

 

奇形の葉が出た木もある」

 

この一文を読んで、涙が止まりませんでした。イチョウは被爆から数年後も葉が扇型にならず、扇が半分の葉、ギザギザの葉、細長い葉をつけたと言います。人間だけでなくあらゆる生命に対して、決してあってはならない残虐極まる冒涜行為。それでも蘇った木々たちは原爆の生き証人なんですね。

 被爆樹巡礼

 

長い歴史を持つ木々、人間にずっと寄り添って来た木々。そんな大樹を巡る旅をしたい、ゆっくりと、時間をかけて。木からいろんなことを学びたい。生命のこと、生きる力のこと、その神秘や知恵。巣籠生活をしながら今そんな気持ちになっています。