6月と言えば紫陽花。美しい花は数々あるけれど、こんなに涼し気な色を艶やかに咲かせる花も珍しい。
近所の神社で紫陽花園が開園になったので、さっそく行って来ました。平日の朝いちばんで行ったのですが、みんな考えることは一緒ですね。地下鉄の駅から同じ方向に歩く人たちがぞろぞろと。けっこう密~。
入り口を入ると、さっそく色とりどりの紫陽花が迎えてくれます。右側も左側も紫陽花でいっぱいの紫陽花小道を歩きます。
生命力あふれる新緑の葉っぱの上に、見事に咲き誇った鮮やかな花の色が映えますね。この濃いピンクは何色と表現したらいいのか。桜色や桃色はあるけど、紫陽花色とは言わないし。
こちらもお馴染みの薄紫色ですが、よく見ると濃淡があってものすごく綺麗!淡い色がさらに淡くなって微妙なグラデーションを作っています。自然の美しさはまさに神の為せる業ですね。
紫陽花には蜜が無く、花の色の美しさだけで虫を誘うのだとか。虫じゃなくてもその色の美しさには引き込まれて、思わず顔を近づけてしまいます。
本格的なカメラを構えてじっくり撮影している方も多いです。みなさん自分の世界に入り込んでいるご様子。妥協しない姿勢がすごい。
私は取り合えずスマホでパシャパシャ。人がいない所を撮るのが難しい。
こちらはあまり見たことがない白い紫陽花。形が細長く、下に垂れ下がっています。葉っぱの形も他の紫陽花とは違うみたい。
最近は大樹の癒しにはまっているのですが、この紫陽花園は大樹の下に紫陽花が咲いているので、コントラストがとても面白いです。
たくさんの大樹に守られて、地上付近で紫陽花が伸び伸びと咲いているような感じです。小さな紫陽花園ですが、まるで森の中に迷い込んだよう。
ベンチに座って一息つきました。急に紫陽花と同じ目線になって、自分まで自然の風景に溶け込んだような不思議な気分。見上げると空はどこまでも高く、木漏れ日が気持ちいい。
足元にはポツンとひとつ、こんなものが置かれていました。うわぁ~粋だな、風情がある。
でも覗き込むと、空が映っていてなんだか別世界。異界への入り口のようで、ちょっと怖い。
神社の入り口には御神木がありました。樹齢800年の大楠です。800年てすごい年月ですね。太陽の光と地下の水だけで、なぜそんなに長く生きられるのでしょうか。
御神木を前にしばしお祈り。圧倒的な存在感と浄化された場の空気に、こちらの邪念も洗い流されていくようです。
「75年間は草木も生えない」と言われた焦土ヒロシマの爆心地から見事に蘇ったイチョウ。被爆から数年後も葉が扇型にならず、ギザギザの葉や細長い葉をつけたと言います。
そんなイチョウの木の話を知ってから、大樹の生命力、大樹の癒しに興味を持ち、今年の旅は大樹巡りと決めているのですが、まだそんなにたくさんは行けていません。
神社に行けば必ず御神木があるので、最近は意識してよく見る(感じる)ようにしています。
ほんの数時間のお出かけでしたが、美しい紫陽花を見て、大樹に包まれて、エネルギーをいっぱいもらいました。6月だけの贅沢を満喫。夢中で見ていたのか、気がつけば汗だくだくでした。