ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

イギリスの台所レメディ、セージのうがい薬

古代ギリシャ、ローマ時代から万能薬として使われてきた聖なる薬草セージ。その名が救済を意味していることから「救世主セージ」と呼ばれていたという。

 

ヨーロッパでは「庭にセージがある家は病人が出ない」と言われていると知り、うちの庭にも2種類のセージを植え、飲用、浄化用と使い分けている。

 

さて、私が創刊号から愛読している雑誌「Veggy」の最新号に「世界の台所に伝わるホームレメディ」というおもしろい特集があった。

 

その中にイギリスのハーブ療法として、セージのうがい薬が紹介されていたので、さっそく作ってみることにした。私がいつも作っているうがい薬は、セージ・ユーカリ・ミントをウォッカに浸けて作るチンキなのだが、このレシピは煮出して作るようだ。

用意するものは、なんと水とセージだけ。シンプルでいいけど、ハーブティーと同じなのかい、とツッコみたくなる。

まず水を入れた小鍋を火にかけ、沸騰したらセージを入れる。

すぐにキッチン中にいい香りが漂って来た。イギリス女王エリザベス1世は、セージの色と香りをこの上なく愛して、栽培を命令したそうだが、納得のいい香り。湯気に顔を近づけると蒸気が鼻と喉を潤して、優しいスチームうがいをしているみたい。うーん、癒される~。

15分~20分煮出したら火を止める。なんか灰汁のような白いものが浮いている。これはやっぱり取り除いたほうがいいんだろうな。無農薬だから虫食いの葉っぱが多い。虫まで煮込んでしまったってことはないかな。ちょっと不安だけど、まあティーじゃなくてうがいだから。

冷めるまで、ちょっと休憩。余ったセージでティータイム。結局セージティーの濃いやつがうがい薬になるということだ。

 

私はシングルのハーブティーなら、断然このセージが好きだ。ポリジもよく咲いていたのでちょっと浮かべてみた。

ポリジは砂糖漬けにしておくとデザートの飾りなどに使えるんだけど、どの本にも卵白を花びらに塗ってから砂糖を載せていくとある。卵白を使わずに作ってみたいけど、何かで代用できないか。とろっとした葛湯はどうだろう。

ポリジを浮かべておしゃれなアイスキューブを作るのもいいけど、まだ氷の季節にはちょっと早そう。

 

さて、そろそろ冷めたので瓶に移そう。ガーゼを敷いた漏斗で漉していく。

色がすごくきれい~。昔から伝わるレシピということで、瓶もちょっとアンティーク風なものを選んでみた。チンキのうがい薬は1年もつけど、これは水で煮出しただけだから、冷蔵庫で1週間ぐらいだろう。毎日うがいしよう。間違って飲んじゃっても大丈夫。

冷蔵庫で少し冷やしてからうがいをしてみたら、すごくさっぱりした。セージにはすぐれた抗菌作用があり、咽頭の炎症や口腔内のトラブルによく用いられてきたというけど、このさっぱり感はクセになりそう。

 

「ドイツ婦人のハーブ学」という本に面白い記述があった。

新しい葉を二、三枚よく噛みなさい、そして呑み込んでしまいなさい。虫歯もそれで抑えられるし、歯茎も丈夫になるし、喉も扁桃腺も殺菌され、胃袋にあるものはきれいに消化されるのですよ

 

ドイツ版おばあちゃんの知恵袋といったところか。歯磨きの代わりにセージの葉っぱを噛むとは、そして呑み込んじゃうとは、ワイルドでいいなぁ。

 

以前読んだハーブの本で、リンゴ酢を加えてセージのうがい薬を作っていたのを思い出し、先ほどのセージ液に4人の泥棒の酢をほんのちょっと加えてうがいをしてみた。酸味でスッキリ感が増し、こちらもとてもよかった。酢を加えて作ったらもっと長持ちするかもしれない。

 

台所レメディ、楽しいのですっかりはまってしまったようだ。

 


veggy (ベジィ) vol.87 2023年4月号 [雑誌]

 


ドイツ婦人のハーブ学


有機フォーシーブスビネガー泥棒酢 28 500ml

 

 

 

retoriro.hateblo.jp

 

retoriro.hateblo.jp

 

retoriro.hateblo.jp

 

retoriro.hateblo.jp