ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

冬の喉ケア、春の鼻ケア

冬は乾燥の季節だ。口の中が乾燥しすぎて変な夢まで見ることもある。喉が渇いて仕方ないのに、どうしてもペットボトルが開けられないとか、やっと開いたら空気しか出て来ないとか。(笑)

 

それで夜中にハッと目覚めるんだけど、口の中がもう尋常じゃないくらいカラカラに乾いていて大変なことに。たぶんずっと口呼吸してたんだと思う。最近は対策として水筒にお白湯を入れて枕元に置くことにしている。ひと口含めば口の中に潤いが戻り、また眠りにつけるから安心だ。

 

そんな乾燥する冬に特に重要なのが喉ケア。熱湯を注いだマグカップに精油をたらして蒸気吸入したり、チンキでうがいをしたり。いつもうがい用に作っているのは、抗菌作用のあるセージユーカリタイムをブレンドして作るチンキだ。自家製うがい薬は味もイソジンそっくり!

 

今回はちょっと趣向を変えて、口内の粘膜保護によいとされるマロウと、喉や美声に効き音楽家たちに愛されたスミレをブレンドしてチンキを仕込んでみた。

左がスミレ、右がマロウブルー

これらを小瓶に入れてウォッカを注ぎ、2週間たったら漉して完成だ。

チンキは植物に含まれる有効成分をアルコール液に溶出させたもので、長期保存もできるし、ハーブティーより即効性があるので家庭の「緑の薬箱」には欠かせない。今回はうがい用に作ったけど、お白湯に数滴たらして飲んだり、水で薄めてスプレーにしたりと色々使える。

 

「ハーブチンキ事典」によると、チンキの歴史は大変古く、紀元前1500年頃の古代エジプトの医学書「エーベルス・パピルス」には「ケシのチンキが子供の夜泣きに使われていた」という記述があるそうだ。

 

東洋でのチンキの始まりは、後漢366年に活躍した神医「華陀」が考案した「屠蘇」だという。日本でも平安時代には宮中の正月行事としてお屠蘇を飲む習慣が定着していたというから、日本の元祖チンキはお屠蘇ということか。

 

はるか大昔から人々の健康の力になってきたチンキ。私もせっせと手作りして活用している。インフルエンザ流行の季節にはエキナセアチンキを、寝る前にはカモミールチンキや金木犀のチンキを飲んでいる。

さて、冬も半ばをすぎるといよいよ花粉の季節だ。昔は仕事に差し支えるくらいひどかった花粉症も、長年の自然療法のおかげか今はほとんど気にならなくなった。

 

それでもネトルのお茶を早め早めに飲むように意識している。ドイツでは「春季療法」と呼ばれ、古くから春先の花粉症予防に、アレルギー症状の緩和作用があるネトルのハーブティーを積極的に飲む習慣がある。時間をかけてアレルギー体質そのものに働きかけるため、なんと前年の12月頃から飲み始めるのがいいらしい。

 

だけど、ネトルのハーブティーって正直あんまりおいしくないので、私はいつもエルダーフラワーやレモンバームとブレンドしてた。

 

なにか鼻のケアにいいブレンドはないかなと探していた時に、薬剤師・フランス植物療法士である梅屋香織さんの本に鼻ケアによいブレンドを見つけた。風邪による鼻水・アレルギー性の鼻炎・鼻水・鼻づまり、全てに対応できるという。

 

感動したのはアカマツが入っていたことだ。数年前からアカマツに夢中だったので、このブレンドには飛びついてしまった。

retoriro.hateblo.jp

使用するのは、ユーカリペパーミントタイムマロウアカマツだ。全て家にあったのでさっそく作ってみた。

お湯を注ぐとマロウブルーのきれいな青が立ち上がり、ペパーミントやユーカリがふわっと香って、飲んでみるとアカマツのすっきりさが際立ち、後からタイムが効いてきた。タイムとユーカリでちょっとうがい薬っぽい感じがしなくもないけど、なかなか飲みやすいティーだった。

 

ハーブティーのブレンドというのは本当に難しく、効能をいろいろ欲張ってしまうとお味のほうがイマイチだったり、飲みにくかったりとなかなか思うようにいかない。やはり飲んだ時にほっとして、香りもよく、癒されるな~と実感できるものがベストだ。まだまだ研究中だけど、秘訣はたぶん配合比率じゃないかなと思っている。

 

乾燥が気になる冬の喉ケアに、花粉症による春先の鼻ケアに、植物療法でできる対策をやってみました。

チンキはまだ浸け込み中

人によって自分の心や体を支えてくれるものは違うと思うけど、私の場合は長年続けている自然療法がいちばん無理がなく、しっくりきている。季節によって緑の薬箱の中身をあれこれ試しながら入れ替えるのも、薬箱のオリジナル感が増して楽しい作業だ。