ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

原点回帰、ガトーオサワを作りました

すごく久しぶりにガトーオサワを作ってみました。

 

ガトーショコラじゃなくて、ガトーオサワ?

 

聞いたことないですよね。マクロビのお菓子なんです。マクロビオティックの創始者である桜沢如一氏(海外ではジョージ・オーサワで知られている)のお名前「オサワ」が入っているお菓子です。

 

考案したのはホールフード料理家のタカコナカムラ氏。表参道にあるヴィーガンレストラン「ブラウンライス」をプロデュースした方で、以前はそこでも売っていたので時々買って食べていました。

 

ガトーオサワは80年代半ばにリマクッキングスクール(1965年に創立されたマクロビオティックの歴史ある料理教室)に通っていたタカコナカムラ氏が発表会で作ったお菓子で、「ジョージ・オーサワ氏に限りない敬意を込めて命名した」そうです。

 

ところが奥様で校長の桜沢里真先生から「オサワという名前を主食以外の料理に使ってはいけません」と一喝されたそうです。

 

そんな逸話のあるガトーオサワですが、今でこそメープルシロップなどの甘味を使ったヴィーガンスウィーツが多い中、甘味はレーズンだけでとても素朴な味。ラム酒やシナモンなどの香りづけもありません。噛めば噛むほど味わい深い、主食にもなるお菓子です。

 

私のオリジナルではないので詳しいレシピは書けませんが、 粉類は全粒粉、そば粉、きな粉、小豆粉の4種類。小豆粉はヤンノーが有名ですが、私はあずきーのがお気に入りで、料理やドリンクにもよく利用しています。寒い季節には葛粉と合わせて小豆葛湯が美味しいです。

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小豆全粒粉 あずきーの

 

レーズンを塩と酒入りのお湯で少し煮てもどし、そこにごま油、黒ゴマを加え、煮汁ごとフードプロセッサーにかけます。あとはふるった粉類と混ぜて焼くだけ。

 

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そば粉・全粒粉・きな粉・あずき粉の4種類

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レーズンは煮汁ごと、黒ゴマ、ごま油も入れて混ぜます

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粉類と合わせて混ぜます

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型に入れて低めの温度でじっくり焼きます

材料を見ただけでも超ヘルシーですよね、って思うのはヴィーガンの人だけかな? バターや卵、砂糖の入らないスウィーツはとっつきにくいかもしれませんが、体に優しくて意外とイケますよ👍

 

芥子の実を飾るのに、またまた芥子の実を用意するのを忘れていました。急遽家にあった麻の実とアーモンドダイスで代用。「オサワ」の名前が入っているので、私も敬意を込めてレシピ通りきちんと作りたかったのですが・・。 

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ずっしりと中身の詰まったガトーオサワが焼き上がりました!懐かしいこの感じ、この味。子供が「お母さん、まずい!」と言いそうな(笑) 素朴過ぎて飾り気がないけど、これがまさに昔のマクロビなんですよね~。
  

retoriro.hateblo.jp

 

長年菜食を続けていますが、けっこうその中身は変遷を重ねています。元々は玄米中心の素朴な玄米菜食スタイル。その後、見た目もオシャレなベジ料理がたくさん出てくると、斬新なアイデアの世界のベジ料理を真似してみたり、薬膳料理にはまって中華材料を使った「ベジ薬膳」を作ったり。

 

ローフードブームが始まった2010年ごろからは、酵素酵素と、とにかく生で食べていました。コールドプレスジュースを毎日作って飲んだり、ズッキーニのパスタや海苔巻きなどをよく食べていましたね。

 

マクロビでは果物をあまり推奨していなかったり、大豆の唐揚げなど揚げ物も多かったので、「生で食べる」というローフードの考え方がすごく新鮮でした。ジュースクレンズもよくやっていて、最後の方は「もう飲めない」と身体がオエッっと拒否するぐらい低速ジューサーで絞った野菜ジュースばかり飲んでいました(^^;)

 

最近はまた火を通した温かいものがいいなと思うようになり、原点回帰というか素食に逆戻りかな。品数少なく、時間をかけてゆっくりと。

 

原点回帰しようと思ったら、想い出の詰まった昔の本はみんな断捨離してしまい手元にないんです。あー、あの本もない、あれも捨てちゃった・・と後悔先立たずですね。

 

でも「人のレシピに依存していると本当に自分に合ったものに気づけない」という言葉を読んで、もう料理本を買うのをやめようと決心し、断捨離したのも事実。だから素敵なレシピは参考にしながらも、自分流にアレンジするのがいいんでしょうね。

 

ずいぶん久しぶりに作ったけど、変わらず美味しいと感じるガトーオサワ。今の自分が求めているのは、やっぱりこういう素朴な味なんだと改めて感じました。