ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

ナッツでチーズもどき

今まで「もどき料理」ってあんまり興味なかった。大豆ミートで作る「もどき唐揚げ」とか。でも考えてみたら、いつも食べてる「がんもどき」も元々は「雁擬き」で、味が雁の肉に似ているからだとか。昔からあったのですね。

 

ちょっと前に高野豆腐で「ひき肉もどき」を、豆腐で「炒り卵もどき」を作って「ヴィーガン三色そぼろ丼」を作ってみたら、予想以上に美味しくて驚いた。もどき料理を作ることは創作意欲を刺激して、自由研究みたいでなんか楽しい。

 

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今回はナッツを使って「チーズもどき」を作ってみることにした。用意するのは、生カシューナッツと生アーモンド。酵素抑制物質を取り除くため、浸水させる。生カシューナッツは3時間ぐらい、生アーモンドは一晩。

浸水させたアーモンドの皮を丁寧に剥いたら、カシューナッツと一緒にフードプロセッサーに入れる。そこに、白味噌、塩麹、私の苦手なニュートリショナルイースト、レモン汁、水を加えてガーっと混ぜる。

ニュートリショナルイーストはサトウキビなどの糖蜜で発酵させた酵母で、スーパーフードとして知られている。古代エジプトではビール酵母と同じように料理に取り入れられていたというから、その歴史は古い。

 

動物性食材に多く含まれ、植物性食材にはほどんと含まれないビタミンB12。それがこのニュートリショナルイーストには豊富に含まれていることから、ヴィーガンの人は食べたほうがいいよと言われている。

 

だけどね、ちょっとクセのある味(チーズみたい)で、正直あんまり好きじゃなかった。サラダにかけたりして食べるといいらしいんだけど、いつも減らないまま気がつくと賞味期限切れになっていて、、。

 

でもヴィーガンチーズを作るのに、このニュートリショナルイーストが大活躍するらしい。確かにチーズっぽい味だからぴったりかも。

パテっぽくなったので、丸めてみる。なんか面白い。やっぱり「もどき料理」には創意工夫、知恵、発想、可能性、いろんなものが詰まっているようでワクワクする。

二つ分できたので、それぞれガーゼに包んでから冷蔵庫で一晩寝かせる。

ヴィーガンチーズの作り方は大きく分けて2種類ある。メイン材料に豆腐を使うものと、ナッツを使うもの。今ではプロのレシピもいっぱい公開されているけど、最初に考えた人は本当にすごいと思う。

 

以前、青山にある有名なヴィーガンカフェで、イギリスから来日したヴィーガンシェフが作った期間限定の豆腐チーズケーキを食べたことがあった。ものすごく美味しくて、豆腐でこの味が作れるのかと感動したのを覚えている。

 

さて、一晩寝かせたナッツのチーズはどうなったでしょうか。いい感じに固まったみたい。一つはパセリ、ローズマリー、タイムをまぶしてハーブシェーブル風に。

パンにチーズ。長らくこんな食卓風景は自分にはなかったからすごく新鮮。そうか、ヴィーガンチーズを使えば普通にこれもありなんだと思った。お味のほうも、ニュートリショナルイーストがいい仕事をしていて、コクがあってまさにチーズって感じ。

ヴィーガン料理の世界はもちろんだけど、ヴィーガンチーズだけを取ってみても、実に奥が深くてびっくりしてしまう。

 

玄米を発酵させて作る玄米リジュベラックを使った「発酵チーズ」や、お餅を使った「モチレラチーズ」、酒粕を使った「酒粕チーズ」等々。研究熱心な料理家たちが生み出す「チーズもどき」の世界は、もう「もどき」ではなく、新しい食の世界だ。

 

私も彼らにあやかって、家庭内自由研究に励んでみようかな。いつもは一汁一菜の素食だけど、たまには遊び心で食卓を豊かにするのもいいかもしれない。

 

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