ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

お事汁と小豆の煮汁で無病息災を願う

2月8日は「事八日」(ことようか)で、無病息災を祈って「お事汁」(おことじる)を食べる日だ。

 

日本の伝統行事に関する本によると、「事(こと)」という文字には祭りごとを表す意味があり、事八日は昔から事を始めたり、納めたりする節目の日とされてきたそうだ。

 

事八日は、2月8日と12月8日の二日あるのだが、「事」が田の神様にまつわる農耕儀礼を指す場合は、農作業を始める2月8日が「事始め」で、農作業を終わらせる12月8日が「事納め」になる。

 

「事」が年神様にまつわる正月儀礼を指す場合は、正月の準備を始める12月8日が「事始め」で、正月の片づけをすべて終わらせる2月8日が「事納め」になる。ちょっとややこしいけど、どちらも大切な節目の日ということだ。

 

さてお事汁だが、この季節に合った根菜などをたくさん入れた、いわゆる「具だくさん味噌汁」のことで、具材は地方によっても違うらしい。

 

調べてみると、一応基本とされている具材は、里芋・大根・人参・ごぼう・こんにゃく・小豆の6種類で、その他には豆腐、蓮根、くわい、焼き栗などが挙げられている。

 

お事汁の別名は「六質汁」(むしつじる)なので、6種類の野菜を入れるということだ。気張らずに、冷蔵庫にある野菜で作ればいいらしい。

 

自分的には10種類ぐらい入れたくなってしまい、6つに絞るのが大変だった。でも小豆は絶対外せない。小豆は昔から魔除けになるとされ、夏越の祓(なごしのはらえ)でいただく和菓子の水無月にも使われる。

 

迷って迷って選んだのがこちらの6種類。かぼちゃ、ごぼう、長芋、こんにゃくは断念し、サヨウナラ。そして、ちょっと曰く付きのざるに載せてみた。

小豆だけ、先に茹でておく。一般的には小豆を煮る途中で一度茹でこぼし、アク抜きをするけど、マクロビではアク抜きはしない。むしろその茹で汁を「小豆茶」としていただくのだ。利尿作用があり、むくみ解消にも役立つし、何より美味しくて大好きなので、小豆を煮る時の楽しみになっている。

 

すぐに飲みたい時のために、市販の小豆茶も用意してある。こちらは「京都宇治ヤマサン」の北海道産あずき茶。昔ながらの遠赤直火焙煎で仕上げた深煎りで、とっても美味しい。

根菜類を食べやすく切ったら、出し汁で煮る。昆布と椎茸を水につけただけのお出汁をいつも常備している。

お味噌はなかなか手作りとまではいかず、市販のものを利用している。無農薬玄米を購入する時に、一緒に買ったのがこちらの「マルカワみそ」だ。

 

大豆は自社農園で農薬不使用で作っていて、麹は自家採取の蔵つき麹菌だというから、こだわりが半端ない。非加熱の生味噌は、伝統製法の木桶仕込みで約10ヶ月じっくり天然醸造するという。初心者用に味噌づくりキットも売っているので、今度挑戦してみよう。

 

ちょっと辛めでキリリとして美味しい。野菜から甘味が出るのでちょうどいいかな。

根菜が煮えたら、焼き豆腐と煮小豆も加え、最後に味噌を溶き入れて、滋養あふれる「お事汁」の完成だ。

 

いつもの具だくさん味噌汁とちょっと違うのは小豆が入ったことかな。小豆が入ることで邪気祓いの意味も加わり、行事食の雰囲気が増す。そこに小豆の煮汁も添えて。

 

お事汁で、身も心もかなりほっこりと温まりました。今年も無病息災で過ごせますように。

 

以前にご紹介した本「日本橋木屋 ごはんと暮らしの道具」によると、2月8日には魔除けとして屋上にざるを高く揚げる風習があったという。ざるは日用品であるだけでなく、魔除けの道具でもあり、滝沢馬琴の日記や「東都歳時記」には、2月8日の事納めに、屋上に高い竿を立て、その先端にざるを結びつけて魔除けをしたと書いてあるそうだ。

 

なぜ、ざるが魔除け?と思って調べてみると、東京都公文書館のデジタルアーカイブス資料に「竿先に付けられ屋上に取り付けられた目籠の様子を描いた絵」を見ることができた。目籠やざるは荒く編んであり、たくさんの「目」を持つので、昔から妖怪や疫病神が驚いて逃げ出すと信じられていたそうだ。なるほど!

 

昔の伝統行事や風習にはいろいろな意味があるものだと、ますます興味が湧いてくる。豆まきも終わったことだし、2月8日の「事始め」「事納め」にあやかって、自分事も何かをおしまいにしたり、新しく始めたりしてみるのもいいかもしれない。

 

 

 


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