ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

新しい友と冬ごもり

今週のお題「一生モノ」

 

我家に新しい友がやって来た。友と言っても人ではない。きっとこの先ずっと自分の側にいてくれるだろうと思われるモノ。

 

それは新しいライアーだ。

アフロディーテの竪琴ハート

実はライアーという楽器に出合ったのは、2021年のことだった。ヨーロッパ最高の賢女、薬草学の母と呼ばれる聖ヒルデガルトについて学んでいる時、先生が「ヒルデガルトはライアーを弾いていたのではないかと言われています」とおっしゃった。

 

ライアーという楽器を知らなかったので、俄然興味が出て検索してみると、ハープのような大きな楽器が出てきた。ああ、そう言えば「千と千尋の神隠し」で聴いたことあったなぁ。

 

とても素敵だったけど、そんな大きくて本格的な楽器を今から始めるのはとても無理、無理。(値段も高い!)いろいろ探しているうちにリトルミンストレルというベビーライアーに辿り着き、「小さな吟遊詩人」という名前も胸に響いて購入してしまった。

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とにかくいい音色なので、ポロンポロンと弾いているだけで癒された。だけど残念なことに弦が11弦しかなくて、#や♭の半音もないので弾ける曲がすごく限られてしまうのだ。もともとシュタイナー小学校の音楽教材用に作られた楽器なのでちょっと物足りないのは仕方ない。

 

半音がなくて、11弦で弾ける曲を探してコピーしたり、ハ長調に直して一生懸命ノートに書いたりして練習した。

そのうち、もうちょっといろんな曲を弾いてみたいと思うようになった。大きなライアーを買うつもりはないけれど、せめて半音があったらなぁ。そんな時に出合ったのが「アフロディーテの竪琴」さんで売っているハートという小型ライアーだ。

アフロディーテの竪琴(ライアー)のご案内

22弦あって、半音もあるので弾ける曲がぐっと増えた。半音は裏側に付いているので、左手で弾く。右手でメロディーとコードの伴奏なども弾き、メロディーに半音が出てきたら左手の出番。

 

これがなかなか難しいのだ。まだ感覚がつかめなくて、とんちんかんな音がボワーンと出てしまったり。とにかく練習あるのみ。年明けからずっとどこにも出かけずライアーと一緒に冬ごもりの毎日。

 

一般的なライアーは35弦とか42弦とかなので、市販のライアー楽譜はそのままは使えない。今はピアノの楽譜から22弦で弾けそうな曲をメロディーだけノートにせっせと書いている。

楽しい、とにかく楽しい。ライアーってなんでこんなに癒される?なんでこんなに心に響く音なのか。

 

それはやっぱりもともとライアーという楽器が、シュタイナーの音楽療法に基づいて作られた楽器だからのようだ。病院の現場で音楽療法士と患者が一緒にライアーを奏でたり、聴いたりして、心のケアや患者自身の持つ自然治癒力を引き出す効果があるという。

 

ライアーは1926年にシュタイナーのお弟子さんが作った新しい楽器だそうなので、中世の修道女である聖ヒルデガルトが弾いていたのは竪琴なのかなと思った。

 

まだメロディーを弾くのが精一杯だけど、アイルランド民謡とか、讃美歌とかをゆっくり一弦、一弦弾いてみるだけで本当に癒される。「内省的な楽器」とライアーを表現していた方もいたけど、なるほどその通りだと思う。

 

ところで、私が2021年に購入したリトルミンストレルだが、2022年の8月に職人老齢のため工房が閉鎖され、もう手に入らないそうだ。なんと貴重なものが手元にあるのかと驚いてしまった。元々子供向けの音楽教材だそうだが、実によく響いていい音がする。

縁あって我が家にやってきた2台のライアー。きっとこれから何か辛いことがあった時にも、寄り添って力になってくれるだろう。私の一生モノの宝物。ずっとずっと大切にしよう。

 

 

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