ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

ユリ根を入れた秋のベジちまき

ちょうど昨年の今頃だったかな。デパ地下でおがくずに埋まっていたユリ根と邂逅。恥ずかしながら、この歳になるまでユリ根がどんなふうに売られているのかも知らなかったから、もう驚くやら、感動するやら。

 

ごつごつした球根のようなユリ根を一枚一枚剥いていく手作業に、なぜか心が落ち着いてきて、とても楽しかったのを覚えている。

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またユリ根が売ってないかなと思って同じデパ地下に行ってみたら、おがくずがいっぱい入った発泡スチロールを発見。埋まっていて姿はよく見えないけど、これは間違いなくユリ根さんでしょう。

 

迷わずビニール袋を手にし、まずはおがくずをたっぷり入れる。昨年は遠慮してしまってちょっとしか入れなかった。ユリ根はおがくずにすっぽり埋まっていると長期保存できるというので、今年はずうずうしくいただきます。

 

おがくずの入ったビニール袋を持ってユリ根を選んでいたら、そばにいた見知らぬ方が声をかけてきた。明らかに私より年配の老婦人。

「それ、どうやって料理するんですか?」

「ああ、これですか。一枚一枚剥いていって、黒くなってるところは削って」

昨年ちょっと料理しただけなのに、なんか得意気に説明している自分。

 

「私は外食でしか食べたことないのよ。どんな料理に?」

「そうですねぇ、私はお粥に入れたり、スープにしたり。美味しいですよ。」

いかにもいろいろ作ってるふうにしゃべってしまった。

 

「まあ、えらいわねぇ。そんなんしたことないわ。お話ありがとう。」

なぜか褒められてしまった。こっちもユリ根一年生だというのに赤面だ。

 

それにしても、毎年同じ時季に同じ野菜に出合えるというのは素敵なことだな。季節がちゃんと巡っている証拠だ。

 

さて、ユリ根を使って今年は何を作ろうかと思案して、薬膳風のベジちまきを作ってみることにした。ちまきは中華の豚肉入りのイメージがあったから、今まで一度も作ったことがない。

 

材料は、もち米と玄米に薬膳を意識して蓮の実を用意した。

ひと晩水に浸けておいて、おこわモードで炊く。そこにユリ根とさつま芋、蓮根を入れることにした。1年ぶりに登場、おがくずが付いているユリ根。限られた季節にしか出て来ないからか存在感あるなぁ。

炊きあがったおこわと、さっと蒸した野菜たち。竹の皮も用意して。

さあ、ここからが大変でした。ちまきなんて巻いたことないから、いろいろ調べて巻き方をチェック。正しい巻き方やコツがあるのかもしれないけど、けっこう人それぞれみたいで逆三角錐型に巻く人もいれば、おにぎりみたいに三角形に巻く人もいた。

 

まずは竹の皮にごま油を塗って、ご飯がくっつかないようにする。ちょっと丸めた竹の皮を左手に持って、そこにご飯を詰めていく。お芋やユリ根の形を崩したくなかったので、混ぜずにご飯の脇にそっと詰めてみた。

なんとか巻いて、竹の皮から取ったヒモで結ぶ。湯気のたった蒸し器で20分ぐらい蒸したらできあがり。

ドキドキしながら広げてみたら、ふわーっと食欲をそそるいい香りがした。

秋の味覚が詰まった薬膳風ベジちまき。もち米に玄米も入って、ずっしりと重く食べ応えあり。やっぱりユリ根の上品で控えめな味、やさしくて好きだな。主張しないからいろんなものと調和して、そこにほっこり感を醸し出す。

 

昔は産後の母親や病人の体力回復に食べさせたというけど、このやさしい味を思うとそれも納得だ。

 

昨年のブログを読み直してみたら「ユリ根まんじゅうを作ってみたい」と書いていた。あらあら、すっかり忘れていた。来年はユリ根三年生ということで、ユリ根まんじゅうに挑戦してみようか。

 

 

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