ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

大樹巡礼の旅を振り返る

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

 

ここ2年ほど、大樹巡礼の旅を続けている。旅のタイトルはちょっと大袈裟だけど、大樹の持つ神秘性・生命力の強さに惹かれ、崇める気持ちでこう呼んでいる。

 

今まで訪れた大樹を振り返り、2023年に行きたいところを考えてみた。

 

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大樹は神社の中にあることが多い。長い間、地域の人々から愛され、崇められ、心の拠り所となって来たであろう歴史が感じられる。

 

こちらは福岡県古賀市にある五所八幡宮の樹齢1000年の大楠。こぶがムーミンにそっくりなので「ムーミンの木」と呼ばれ、子供たちにも人気のようだ。

こちらは福岡県宇美町にある宇美八幡宮の大楠で「湯釜の森」と名付けられている。一本の木でありながら森という名前を持つ圧巻の大樹だ。

同じ境内にあるもう一つの大樹が「衣掛けの森」で、神功皇后が応神天皇の産湯を使う際に、衣をかけたことからこの名前が付けられたそうだ。

5月の連休には少し遠出をして、山口県下関市にある「川棚のクスの森」を訪れた。まるで蛸の化身のような枝張りの雄大さが特徴だ。戦国時代の武将大内義隆の愛馬「ひばり毛」にまつわる伝承が残されている。

秋には、佐賀県武雄市にある武雄神社を訪れた。お目当ては、樹齢3000年とも言われるご神木「武雄の大クス」だ。

 

社殿が白いので驚いた。赤や緑の装飾が映え、神社に対して失礼かもしれないけど「なんてお洒落な」と思ってしまった。武雄神社の神様に仕えるのが白鷺なので白色になっているそうだ。

神社からご神木へと向かう竹林の道は50mも続き、厳かな雰囲気だ。

九州オルレになっているようだ。

竹林の道の先にやっと見えてきた武雄神社のご神木・武雄の大クス。全国巨木ランキング第7位にランクインしているというが、なるほど納得の存在感だ。根本付近には大きな穴が見え、中は約12畳ほどの空洞になっていて、天神様が祀られているそうだ。

2022年の大樹巡礼の旅で、いちばん印象に残っているのが、長崎県山王神社にある「被爆クスノキ」だ。山王神社は爆心地から約800mに位置し、原爆により建物全てが跡形もなく焼失したという。(昭和25年に再建)

 

2本のクスノキも原爆の熱線で焼かれ枯死寸前となったが、被爆からわずか2ヶ月後には幹から新芽を出したという。境内には当時の写真が展示してあったが、主幹が折れ、黒焦げになった姿から、現在の姿にまで蘇ったことを思うと、自然と涙が流れ、言葉を失った。まさに「被爆クスノキ」、歴史の生き証人だ。

さて、今まで近場を中心に大樹巡礼の旅を続けてきたが、2023年は少し遠出できたらいいなと考えている。小豆島宝生院のシンパフ、富山県魚津市の洞杉、兵庫県和池の大カツラなど、行ってみたい所が多すぎて困る。

 

まずは国内からと考えているが、手元には「地球遺産 最後の巨樹」という写真集もあり、見ているだけで旅の夢が広がる。米国カリフォルニアには樹齢4700年の世界最長寿の樹、ブリッスルコーン・パインがあり、カナダには8000年前から巨樹文化を営んだ先住民ハイダ族の巨樹の島があるという。

他に類を見ない姿形、圧倒的な存在感、天まで届きそうな生命力、まるで神が宿っているとしか思えない大樹。一本の大樹の前に立つと、自然と心が鎮まり、謙虚になり、なにか神聖なものを授けていただいたように感じる。

 

そしてその神聖さに包まれて、心の奥の奥から平穏が広がっていく感覚がある。そんな時は、自分にも目に見えないものを感じ取る何かがあるんだなと気づかせてくれる。今年はどんな大樹に出合えるか、とても楽しみだ。

 

 


地球遺産 最後の巨樹

 

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