ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

散りゆく木蓮の花をお茶にしていただく

気がつけば、桜も散り、木蓮も散った。冬の終わりから春の始まりにかけて、ミモザの黄色、桜のピンク、木蓮の白と、新しい季節の訪れを感じながら、その移ろいを十分に楽しませてもらった。

 

これは2週間ぐらい前の庭の木蓮。空へ向かって真っすぐに伸びる枝。一緒に見上げていると、優しい香りに包まれて自然と気持ちも穏やかになる。

f:id:retoriro:20220415170806j:plain

今年は初めての試みをした。散る前の木蓮のお花を少しだけいただき、お茶にしたのだ。初めてなので半信半疑、庭の木蓮の花が本当に飲めるの?

 

菊花茶や菊料理も菊の花なら何でもいいわけではなく、食用の菊を使うと言うから、木蓮茶も飲用のものが売っているのかもしれない。でも、庭の恵みをありがたくいただくことに特別な意味を感じて、やってみることにした。

 

まずは花びらを広げてドライにする。けっこう大きいな。存在感がある。

f:id:retoriro:20220415171054j:plain

中央のガクを取り除く。時々裏返しながら1日~2日風通しの良い日陰に干す。裏側もとても上品で美しい。

f:id:retoriro:20220415171444j:plain

干したらこんなに小さくなった。

f:id:retoriro:20220415171525j:plain

いよいよ試飲。初めての木蓮茶。ドキドキ~。どんな味がするのかな、というかお腹痛くなったりしないよね。日本のハーブセラピスト講座で毒草について学んでからは、すごく臆病になっている。

 

水仙の葉をニラと間違えて誤食し、食中毒を起こした例を始め、フキノトウに似ているハシリドコロ、セリに似ている毒ゼリ等々。山で野草を摘んで自分で野草茶を作るなんて、まだまだ先の夢の世界だ。

 

ガラスポットに2輪入れて熱湯を注ぐ。少し蒸らした後、カップに注ぎ、飾りに1輪お花を浮かべてみた。

f:id:retoriro:20220415171921j:plain

きれいな色のお茶ができた。香りもいい。おそるおそる飲んでみる。薄めに入れたからか強い味ではなく、ほんのりと甘い優しい味だ。

 

本によると、木蓮茶には次のような効能があるという。

・冷え
・鼻炎
・気管支炎
・慢性鼻炎による頭痛
・鎮痛、消炎
・気持ちを上げる
・集中力を高める

 

体感として言えるのは、確かに冷えにはよさそうだ。そしてメンタルには絶対効果があると思う。花の美しさと香り、エネルギーがじわっと体に沁み透る。ヒーリング効果は抜群だ。

 

どうせならと、庭に運んで飲んでみた。パンジーと一緒に木蓮茶を楽しむ。パンジーもドライにしてお茶にできるはずだけど、まだまだ勉強不足で園芸用のパンジーが飲めるのかどうかわからない。

f:id:retoriro:20220415173814j:plain

参考にしたのは、コウ静子さんの「季節に寄り添う韓国茶」だ。ちなみにコウ静子さんはコウケンテツさんのお姉さん。私はこんなに美しいお茶の本は見たことがない。表紙は蓮の花のお茶だ。1輪でこの圧倒的な存在感。

f:id:retoriro:20220415172831j:plain

この本には他にも季節に添ったお茶がたくさん紹介されている。自然とはなんと美しく、そしてその恵みをいただくことはなんと贅沢なことかと改めて驚かされる。私の憧れが詰まった花茶の世界。少しずつでも真似してみたいなぁ。

季節に寄り添う韓国茶ー 心と身体を癒す花茶と薬草茶、そして菓子

 

フィトセラピーを学んでいてよく聞く話に次のようなものがある。

 

「庭にはその人に今必要な植物が自然に生えて来る」
「今そばにある植物があなたを助けてくれる」

 

20年以上もずっとそばにいてくれた庭の木蓮。見るだけでなく、お茶にして飲んでみようなんて今まで思ったこともなかった。新しい関係が始まったような、距離が近くなったような気がして、なんだかうれしい。

 

おそるおそるいただいた初めての木蓮茶は、とてもふくよかで優しく、お腹が痛くなったらどうしようという心配は杞憂に終わった。来年の春にまた元気に花を咲かせてくれることを祈っている。

 

retoriro.hateblo.jp

retoriro.hateblo.jp

retoriro.hateblo.jp