ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

日本のモネの庭を訪れて

高知一人旅~その③「モネの庭」

 

牧野植物園を訪れた翌日はフリー。桂浜など、高知観光の有名どころを巡るのもいいけれど、せっかくだから思い切って遠出することにした。

 

高知駅から、JRと土佐くろしお鉄道、バスを乗り継いで2時間もかかる所にある、北川村「モネの庭 マルモッタン」

 

モネの愛したフランス・ジヴェルニーの「モネの庭」を、モネの世界観を大切にしながら高知の自然の中に再現し、クロード・モネ財団から「モネの庭」と名乗ることを、世界で唯一許されているそうだ。

 

園内のカフェはモネの家のキッチン&ダイニングをモチーフにしていて、なんとヴィーガンランチもあるというので、ワクワクして早朝の電車に乗った。

 

「モネの庭」の園内は大きく分けて3つのエリアがある。モネが描いた睡蓮が咲く「水の庭」、パレットの絵の具のように色とりどりの花が咲く「花の庭」、モネが訪れ、その光と色彩に感動したという地中海から発想した「光の庭」だ。

 

モネと言えば睡蓮。まずは睡蓮に会いに「水の庭」へ向かう。

 

いきなり目の前にこの美しさが広がった。ここはいったいどこなのか。鳥のさえずり、水のせせらぎ、木々のそよぎ、水に浮かぶ睡蓮。湖面は空が反射して、光が揺れている。

息を吞むような美しさ、とはこのことか。まるで別世界に迷い込んだよう。

池のまわりをゆっくりと散策しながら、違った角度から睡蓮を楽しむことができる。

ぎりぎりまで近づける場所もあった。この水の庭の睡蓮は本家ジヴェルニーのモネの庭から株分けされたというから驚きだ。でも、元々は日本びいきのモネが日本から睡蓮を輸入して庭を造ったのだ。

ところどころにモネの描いた睡蓮が飾られ、水の庭の風景と比べられるようになっている。

静けさの中で、ゆっくりと味わいたいところだが、なんせここは観光地。朝から大型観光バスが3台も停まっていて、実はすごいにぎわいなのだ。

 

映える人気のスポットは、写真を撮ろうと次々と人が集まって来て途切れない。一瞬のすきを見て、ささっと撮って引っ込む。我ながら敏捷な動き、一人はこれだからいい。

水の庭の周りは花もいっぱいだ。バラのアーチはいくつも連なり、下にはベンチがあってゆっくり睡蓮を楽しめるようになっている。人が多くて現実にはそうはいかないけど。

モネのこの絵は反対側から描いたものだろう。

こちらから見た風景も落ち着きがあり、とても美しい。

モネが池に作った日本風の太鼓橋と藤棚も見事に再現。藤の花が咲いていたらさぞ綺麗だっただろうな。

モネは43歳から、生涯の半分をジヴェルニーの庭とアトリエで過ごし、創作以外の時間は庭仕事に充てていたそうだ。本場フランスのモネの庭にもいつか行ってみたいものだ。

 

数量限定のヴィーガンランチが気になって、早めにカフェに行くことにした。

 

ところが、なんと今日は団体客で1階も2階も予約でいっぱいで、一般客は12時半から受け入れるとのこと。1時間半も待たなければならないとは、、しかも今日はヴィーガンランチはご用意できませんだって!

 

大ショック~~。「モネの庭でヴィーガンランチ」を楽しみに来たのになぁ。こちらがサイトで紹介されていたヴィーガンプレート。まあ、しょうがない。旅ではよくあることだ。

(公式ホームページより)

 

カフェの前は見晴らしのよいテラスになっていて、花の庭を見下ろしながらくつろげるようになっている。パンとジュースを買って、ここで休憩だ。

 

ひと息ついたので、花の庭へと降りて行く。

花の庭はパンフレットにある通り「パレットの絵の具」のよう。色彩豊かな花たちがあふれんばかりに咲いていた。

花の季節、5月に来れたのはラッキーだったなぁ。

上にはバラが、下にはハーブたち。

庭師の方が黙々とバラの手入れをされていた。見事なバラの陰にはこの方あり。

上ばかり見ていたら、足元には大好きなパンジーが。花が人間の顔に似ていて、思索にふけっているような姿なので、「パンセ」(フランス語で思索を表す)にちなんでパンジーと名付けられたという。しゃがみこんで、その哲学的なお顔をじっくりと見る。

このバラのアーチが連なる風景は、ウィキに出ていたモネの花の庭の写真にそっくりだ。

中央には憩いの場、噴水がある。ここでまた休憩。風に乗って花の香りが漂ってきて、なんとも気持ちがいい。

案内板まで、あふれんばかりの花に囲まれているとは、見ているだけで癒される。さすが!

名残惜しいけど、1時間に1本しかないバスの時間が迫って来た。見納めにもう一度水の庭へ行ってみると、団体さんはカフェへ流れたのか、人の数がぐっと減っていた。

 

6月にはモネが夢見た「青い睡蓮」が咲くと言うから、観光客もすごいだろう。今のうちに来れてよかったのかもしれない。

www.kjmonet.jp

1日目は牧野植物園、2日目はモネの庭と、まるまる二日間ずっと植物の中にいて、なんとも幸せな時間を過ごすことができた。もともとが大自然の中に調和して作られている施設なので、まさに自然の懐に抱かれているような、やすらぎの感覚だった。

 

2泊3日の高知一人旅もこれで終わりだ。今回は竜馬さん縁の地へは行けなかったので、高知駅前にある銅像を記念に撮って、空港へ向かった。よかったなぁ、高知。

 

 

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