ずっとヴィーガン暮らし

菜食と薬草のおうち歳時記

イーハトーブの旅~盛岡・遠野編

念願のイーハトーブ旅行、前回は賢治の故郷である花巻市を中心にまとめたが、今回は盛岡と遠野で訪れたところをご紹介したいと思う。

 

まず最初に向かったのは⑩「光原社」だ。今は全国から集めた民芸品を取り扱うお店になっているが、元々は宮沢賢治の生前唯一の童話集「注文の多い料理店」を発刊するために創業された出版社だった。社名も賢治によって「光原社」と名付けられたという。

 

ゆかりの地には、賢治さんの像があった。

光原社のホームページによると、賢治と創業者は盛岡高等農林学校で先輩、後輩の間柄、その縁で創業者は賢治から膨大な童話の原稿を預かり、これが注文の多い料理店の発端になったそうだ。

二人の夢を乗せたこの童話集は残念ながらほとんど売れず注文の少ない童話集となりました。

本店をはじめ、可否館、モーリオ、マヂエル館、カムパネラなどの店舗があり、特に中庭がタイムスリップしたような静かな佇まいで、とても素敵だった。

壁には賢治の詩が描かれている。

建物と植物が見事に溶けあって、美しい空間を作り出していた。

美味しい珈琲をいただいて、次に向かったは、⑪「賢治清水」だ。ガイドブックの地図にも載ってないので、うまく辿り着けるかちょっと不安。盛岡城跡公園の近くらしいんだけど。

 

遠くから石垣が見えてきたので盛岡城跡公園はすぐ見つかった。賢治清水の案内もあったのでほっとした。

賢治が学生時代に使っていた井戸がすぐ近くにあり、その井戸をボーリングしたら良質な水だとわかったことから、賢治清水と名付けられたそうだ。私もいただいた。歩き疲れた体に染み渡って生き返った!

すぐ裏の駐車場に、その井戸があった。賢治が盛岡高等農林学校在学中に、弟清六と2人で下宿生活をおくっていた時に使用していた共同井戸だそうだ。

このあと、レトロな雰囲気が味わえる盛岡の街をぶらぶら歩き、老舗の南部鉄器の店やせんべい店、竹かご店などを巡って楽しみながら、盛岡で最後に訪れたのが⑫「もりおか啄木・賢治青春館」だ。

 

明治時代に建てられたドイツロマネスク様式の「第九十銀行本店本館」の建物を、無料の資料館として運用している。国の重要文化財だけあって、建物だけでも必見だ。啄木と賢治は、時期はズレているものの同じ盛岡中学校で学んだそうだ。賢治ばかり追いかけてきた旅だけど、ここで啄木に少し触れることができてよかった。

 

さて、帰りの飛行機の時間も迫っている中、最後にどうしても寄って行きたいところがあった。「銀河鉄道の夜」のモチーフになったといわれる⑬「めがね橋」だ。花巻から釜石街道を遠野に向かって車で1時間ほど行ったところにある。

 

「銀河鉄道の夜」に登場する沿線風景のモデルは、釜石線(銀河ドリームライン釜石線)の前身にあたる「岩手軽便鉄道」だと言われている。

釜石線の24駅すべてには、賢治が作品で用いたエスペラント語の愛称がつけられているらしい。釜石街道は釜石線と並行しているようで、車で走っていると線路が近づいたり離れたりしてすごく気になる。ああ、電車にも乗ってみたかったなぁ。

 

遠野市宮守町にある「めがね橋」(宮守川橋梁)は5連のアーチが連なる美しい鉄橋だ。

もっと近づいてみると、橋の手前に大正時代に作られた岩手軽便鉄道のレンガ造りの柱が残っているのがわかる。

夕暮れにはライトアップされ、橋全体が幻想的な光で包まれるので、人気スポットになっているという。令和5年6月まではSL銀河が1日に1本走っていて、まさに童話の世界だったそうだ。

説明看板を撮ったもの

すぐそばに道の駅があり、休憩したり、お土産を買ったりできる。興味深い展示もあった。「銀河鉄道の夜」のモチーフになったといわれる「めがね橋」だが、実は本当は「岩根橋」ではないかというのだ。

実際に「賢治は岩根橋の下に寝ころんでよく空を見上げていた」と当時を記憶している方もいらっしゃいます。

いずれにしても、100年前に岩手軽便鉄道に乗ってやってきた賢治が、橋の下に寝転んで空を見上げながら物語を考えていたと思うと、なんだか不思議でたまらない。青空に映える美しいめがね橋。ここまではるばるやってきて本当によかったと思いながら、花巻空港に向かった。

 

思えばあの恥ずかしい教育実習から数十年。今回やっと叶った岩手旅行だが、2泊3日で賢治ゆかりの場所13ヵ所を駆け足で巡り、改めて宮沢賢治ってすごいなと思った。こんな才能あふれる人が、生きている間は全くの無名だったなんて。生まれて来たのが早すぎたのだろう。それだけ先見の明があったということだ。

 

宮沢賢治記念館で買ったお土産は、私の大好きな作品「ビヂテリアン大祭」の自筆複製原稿だ。とことん推敲している様子がわかる。

若い頃からずっと菜食だった私は、賢治の作品の根底に流れる菜食思想に惹かれる。それは決して完璧主義を求めたり、上から目線で批判したりするものではなく、俯瞰したどこか遠い視線から語られる。それでもユーモアに包まれた物語の中に、弱肉強食から逃れられないこの世界の深い悲しみを感じるのだ。

 

岩手のお土産はもうひとつ。めがね橋のすぐ側の道の駅で購入した、岩手名産の鬼ぐるみだ。この量でなんと500円!

これで何を作ろうか。光原社のモーリオで人気のくるみクッキーをヴィーガン仕様で作ってみようかな。鬼ぐるみは殻がものすごく硬いから数年は保存できるらしい。旅の想い出に浸りながら、ゆっくり考えよう。

 

 

 
 

 

 

 

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