薬って具合が悪い時に飲むものですよね。もしどこも悪くないときに飲んでしまったらどうなるのでしょうか。しかも、魚が・・・
気になる記事を読みました。
オーストラリアのモナシュ大学の調査によると、世界中の河川や湖から600種類もの医薬品が検出され、生態系に負の影響が出ているそうです。
河川や湖から医薬品?
なぜそんなことが起こっているのでしょうか?
なんと私たちが日々排出する尿に問題があるようなのです。
記事によると、体内にうまく吸収されない薬の成分が尿として排出され、それが下水処理を経ても浄化されずに池や川に流れ、水環境を汚染しているということです。
本当にびっくりしました。いつもデトックスデトックスで体から余分なものはすべて排出するのがいいと思っていましたが、きれいになるのは自分の体だけで、それが環境を汚しているなんて。大ショック!
もちろん尿だけでなく、未使用の薬がトイレや水道からそのまま流され、医薬品による水質汚染が起きているというのです。
プラスチックによる環境汚染がクローズアップされているので、プラスチックを削減しようという意識は個々人が少なからず持っていると思います。でもまさか自分の尿が水質汚染につながっているかもしれないなんて、考えたこともありませんでした。
ここで素朴な疑問・・・尿って汚いの?
だって「尿療法」は有名じゃないですか。腎臓で体内の不要物や老廃物を漉しているから完全に無菌だとか・・。海で遭難した時、自分の尿を飲んで生き延びた人の有名な話もあるし・・・。
尿療法は、数々の健康法の中でも安全・簡単・万能の三拍子そろっていて「尿療法が浸透したら医者の9割は仕事を失う」という話もあるそうな。
まあ、尿を飲むか、病院に行くかと聞かれたら、普通の人は病院に行くでしょうけどね💦
調べてみたら、尿療法というのは「朝いちばんの自分の尿を飲む」というのが原則のようです。だから下水道から流れた尿による水質汚染というのはまた別の話で。
けっこう前ですが、一時環境ホルモンについてニュースでよく報道されていましたよね。オスの魚がメス化?中性化?しているというような話で、このままいくと繁殖しなくなり絶滅するおそれもあると聞いた記憶があります。
モナシュ大学の調査で、オーストラリアの6つの川に棲む水生昆虫から69種の医薬品が検出され、さらにその水生昆虫を食すクモの体からも66種類の医薬品が検出されたそうです。
そうやって負の食物連鎖がすでに起こっているんですね。始まりは人間が捨てた薬や排出した尿だなんて、、、、知らないうちに大変なことになっているようです。
検出された医薬成分のうち最も多かったのが、抗うつ薬、抗生物質、抗ヒスタミン薬、非ステロイド性抗炎症薬などだったそうですが、研究によると、これらを摂取した魚は繁殖しない、餌を取らない、外敵から逃げないなどの異常行動をするそうです。
人の薬は人以外にも効いてしまう⁉
記事では「もし世界中の池や川が医薬品のスープのようになってしまっているのなら・・」と憂えています。
ところでウィキペディアによると、人糞を肥料として用いていたのは鎌倉時代の日本と言われ、人類史最古の有機栽培だそうです。ほんとかいな⁉ 戦後GHQが日本政府に人糞肥料の中止を命じたというから、ずいぶん長い間続いていたんですね。日本にはヒトの排泄物由来の生薬を使った治療法まであるそうです。
昔の生態系の環境はどうだったのでしょうか?少なくとも今よりうまく共存し、うまく循環していたのでしょうか?現代の方がずっとシステムや技術は進んでいるはずなのに、私たちの生活が変わったからか、これほどまでに水質汚染が深刻な状態とは。
尿だけでなく、私たちが何気なく塗っている虫よけや虫刺されなどの塗り薬や、湿布などの貼り薬もシャワーで皮膚から流れ落ち、医薬品による水質汚染につながっているそうです。そんなことを聞くと、かゆみ止めもおちおち塗れなくなりますね。もうすぐ蚊の季節なのに、どうしよう・・・。