ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

気づきがあったら、人は変わってもいい

今日はヴィーガンをやめた2人の女性のお話

 

私が通っているヨガスタジオの側に、カウンターだけの小さなレストランがありました。椅子が5.6脚しかなくて、まるで誰かのおうちのカウンターキッチンのよう。

 

女性シェフが一人でやっているヴィーガンの店で、ランチメニューはひとつだけ。季節の野菜料理がメインでご飯かパンが選べる。スムージーやロースウィーツもとってもオシャレ。ここのランチが本当に美味しくて、ヨガの帰りに寄るとエネルギーがチャージされ生き返ったようでした。

 

私のように一人でふらっと来る人が多く、カウンター席だから知らない人でも何となく気軽に話せたりして、いい店を見つけたなと思っていました。

 

ところが、ある時からお肉が出るようになったんですよね。ランチメニューが二つになって、野菜メインかお肉メインかに。

 

驚きを隠せませんでした。ヴィーガン歴は4年くらいと聞いていましたが、野菜の魅力を伝えたいとメニューの研究も熱心で、スムージーのレシピを公開したりしていたので。

 

理由を聞いてみると、「食の原点はやっぱり和食だ」と気づいたとのこと。そしてお肉や卵を使ったいわゆる「普通」の、それでいて産地にこだわった健康的な「和食」を出すことにお店の方針を変えたそうです。

 

その後、私は自然と足が遠のき、お店も移転したようです。

 

次は、東京青山にあるエイタブリッシュというヴィーガンカフェのお話。青山学院のすぐ側にあり、とにかく料理がオシャレで美味しくて、いつも混んでいて席がないくらい人気の店です。元々青山にあったピュアカフェという老舗のヴィーガンカフェが2016年に移転したものです。

 

その店の共同経営者である清野玲子氏が「魚を食べるようになった」という記事を読みました。

 東京から海沿いの家に引っ越したタイミングで「海沿いに住むんだから海産物を否定するのは不自然かなと思って」と。

https://neutmagazine.com/interview-reiko-kiyono

 

 

驚きました。なんと自由な!

 

だってエイタブリッシュと言えば、東京を代表するようなヴィーガンカフェですからね。ご本人も「生まれた時からベジタリアン」で「9年間はヴィーガンだった」そうです。レシピ本もたくさん出しているし。

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エイタブリッシュのヴィーガンスウィーツ 美味しかった💛

そして今は「進化するベジタリアンという新しい食の哲学を提案しているそうです。

 

「食のテーマは生態系にどれだけ迷惑をかけないか、だからビーガンやベジタリアンというくくりはどうでもいいんです」

 

なんだか、自由でかっこいいなぁ。「枠」や「くくり」にとらわれなくて。

 

長い間自分の中心軸だったことを、気づきがあった時に風のようにふわっと変えられる。まわりは「なぜ?」「どうして?」「おかしい」と批判するかもしれない。

 

でも大切なことは「自分の気づきに正直に生きること」

 

そういう気づきはタイミングを逃したら、ダメなんですよね。だんだん迷いや不安に囚われて動けなくなる。過去の自分に縛られたりね。

 

自分が共感していた人が変わってしまうと、自分から離れて行ってしまったような、置いて行かれたような一時的な淋しさがあります。でも、その人の気づきはその人のもの。100%尊重されなければなりません。むしろ気づきに正直に軽やかに自分の生き方を変える勇気は称賛に値します。あっぱれです。

 

私も今はいわゆる「ヴィーガン」というくくりの食のスタイルで、当分変えるつもりはありませんが、おばあちゃんになったらわかりませんよ。意外とご飯に味噌汁、ぬかづけ、小魚、卵焼きなんて和食に原点回帰するかも(お肉は絶対ないと思うけど、人生に「絶対」はないから)

 

いずれにしても、食に限らず、なにかの気づきがやってきたら見逃さず、縛られず、怖がらず、軽やかに動ける人になりたいです。