ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

「安心のタネ」を育てるワーク、やってみました

最近よく聞くことばに「自分の機嫌は自分でとる」があります。思うようにいかない日々にイライラしたり、情けない自分に落ち込んだり。そんな自分を整える術は知っているつもりでした。

 

草花に触れる、ハーブティーをいれる、ヨガをする、、

 

ところが、美容院で何気なく手にした雑誌に目を引く記事がありました。そこにはポリヴェーガル理論に基づくという、自分を整えるワークが紹介されていたのです。

 

・ぼぉーっと汽笛の音を出す
・トイレで酸っぱい顔をする
・炭酸水の泡を見つめる
・馬の呼吸をする
・ぬいぐるみの目を見つめる

 

おもしろい!なんか楽しそう。すぐにでも家に帰ってやってみたいと思いました。「ポリ、ポリなんとか理論」とうる覚えで書店に寄り、雑誌で紹介されていた本をさっそく購入!

 

「安心のタネ」の育て方 ポリヴェーガル理論の第一人者が教える47のコツ

著者は神経セラピストの浅井咲子氏

 


不安・イライラがスッと消え去る「安心のタネ」の育て方 ポリヴェーガル理論の第一人者が教える47のコツ

 

今まで自律神経についてはそれなりに学んだつもりでした。交感神経・副交感神経があり、そのバランスを整えることが大切だと。緊張や興奮が続くと交感神経優位になるので、音楽を聴いたり、ハーブティーを飲んだりしてリラックスを心がける等々。

 

ところが、この本には新しい自律神経の考え方「ポリヴェーガル理論」が紹介されていて、なんと副交感神経には2種類あるというのです。

 

アメリカイリノイ大学教授のスティーブン・W・ポージェス博士は「つながりを育むという哺乳類の特性」に着目し、副交感神経を「背側迷走神経」「腹側迷走神経」の2つに分けました。

 

専門的なことには踏み込まず、この本では私のような一般の人にもわかりやすいように、バックスイッチ(休息・消化モード)フロントスイッチ(つながりモード)という言葉に変えて説明しています。

 

そしてそれぞれのスイッチを鍛えるワークをすることで、安心のタネという土台をしっかり育んでいこうという内容です。

「自分を大事にする科学」とも言える、ストレス改善&トラウマケアの最新理論であるポリヴェーガル理論をもとにしたワークで、神経とうまくつき合うコツを習得し、あなたの中に「安心のタネ」を育てるのです

 

美容院で読んだのは10個ぐらいだったけど、47個もワークがありました。まずは一人の時間を充実させ、心身をメンテナンスするバックスイッチ(背側迷走神経)のワークから抜粋してご紹介します。

 

・腎臓の位置に手を当てる
・脳幹(首の後ろ)にタッチする
・重さのあるものを足に載せる
・夕日を眺める
・ゆっくり動くものを見る
・首の周りを温める

 

けっこう体に直接関係するワークも多いようです。自分の臓器を意識したり、体に触れたりして自分を調整していきます。

 

私はこの中で「重さのあるものを足に載せる」が新鮮でした。2キロ程度のもので脛にまとわりつくようにフィットするもの(お米の袋が理想)を寝ながら両足の脛に載せるのですが、これは落ち着きますね。

 

「ゆっくり動くものを見る」は炭酸水の泡でも、スノードームの雪でも、水槽でもいいそうですが、こちらも不思議と安心感が得られます。

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炭酸水の泡を見つめるのもワークのひとつ

面白いのはこれから。フロントスイッチ(腹側迷走神経)は他者との関わりの中で自分の穏やかさに出合うと言う、新しい視点です。一般的に人間関係にはストレスが伴うもの、苦手な人と会っただけでぐったりしてしまうこともあるでしょう。

 

だからコミュニケーションに使われる、目・耳・鼻・口・あご・顔・喉などを刺激するワークを、まずは一人でやりながら「つながりモード」を育てていこうという試みです。

 

・ぼぉー、ぶぅー(汽笛の音)と声を出す
・トイレでぎゅーっと酸っぱい顔をする
・べーっと舌を出す
・口笛を吹く
・ぶくぶくうがいをする
・馬の呼吸をする
・望遠鏡を覗くふりをする
・ぬいぐるみの目を見つめる

 

普段最小限しか動かしていない口や鼻、顔の筋肉をいっぱい使ったり、変な声を出したり、どれもみんな笑っちゃう。

 

「望遠鏡を覗くふりをする」では、両手を丸めて筒状に重ね、目に当てて遠くを見るのですが、童心に返ったみたいで単純に楽しい。片目をぎゅっとつぶるから目の体操にもなりそう。

 

「ぬいぐるみの目を見つめる」は本当に不思議でした。ぬいぐるみなのに、ピュアなお目目でこちらの心を覗かれているようで、すごく照れくさい。でも心が通じ合ったようなあたたかい気持ちになりました。人の目を真正面からじっと見ることなんてないですからね。

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こちらはお借りした写真ですが、家にあるのもこんな感じ

今までは、ヨガをしたり、お香を焚いたりして自分をリラックスさせていましたが、それはバックスイッチにかかわる自分だけのこと。人とのつながりにおいて自分をリラックスさせるという発想はありませんでした。

 

円滑な人間関係、心地よいコミュニケーションは人間にとって必要なもの。だからこそ、よりくつろいだ状態で人と関われるように、このフロントスイッチを育んでいくことが大切だと知りました。

 

ワークにより神経バランスが整うと、予測性を手に入れることができ、安心が手に入ります(中略)さらに大きな変化がついてきます。それがレジリエンスのある生活です

 

人前で赤くなったり、ドキドキしたり、汗が出たり、自律神経って時にやっかいだと思っていましたが、日頃からワークなどで仲良くしていれば自分を守ってくれる味方なんだと思えます。

 

自分自身がくつろいだ状態で人と関わるのが安心のコツ。ちょっと苦手なあの人と会う時は、「トイレでぎゅーっと酸っぱい顔をする」をしてから会うといいかも(笑)