ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

ドキュメンタリー映画「Cowspiracy・サスティナビリティの秘密」を観ました

前から気になっていたドキュメンタリー映画「Cowspiracy・サスティナビリティの秘密」をやっと見ました。

 

「この映画を観てもうヴィーガンになるしかないと思った」

「ヴィーガンをバカにしていたけど、認識が変わった」

 

こんなコメントを目にしていたから、どんな映画なのか興味がありました。

 

2014年の映画なので、環境問題に関心が高い方なら「とっくに観ましたよ」と言うかもしれませんが、ネットフリックスに加入し、やっと今観ることができたのです。

 

CowspiracyとはCow(牛)とspiracy(陰謀)を組み合わせた造語で、日本語のタイトルは「サスティナビリティの秘密」となっています。

 

一言でいうと、今まで触れることがタブーで隠蔽されてきた「環境破壊の主原因は畜産業」という真実を暴いたドキュメンタリーです。

  

そして結論は「脱肉食を抜きにしてサステナブルなんてあり得ない」というもの。

 

こう聞くと「プロパガンダ映画なんて、うんざり」「脱肉食なんて絶対無理」と感じる方も多いでしょう。

 

私はヴィーガンですが、人の食生活に口を出すつもりは全くありません。人は自分の人生の中で、いろいろな気づきや出会いを経て、それぞれの選択をすればいいと思っているからです。

 

また、自分はよかれと思って熱く語れば語るほど、相手は「もう結構」「あんたはそんなに偉いのか」と聞く耳を持たなくなることも経験上知っています。

 

私自身が長年「草ばかり食って変わってる」と非難めいたことを言われ、否定され続けてきたので、誰かに「肉なんか食べて遅れてる」なんて絶対に言いませんよ。どんな気持ちになるかわかるから。

 

自分の価値観で人をジャッジしない

 

これが鉄則。

 

それに自分が肉を食べないからと言って、環境問題を特権意識で語れるわけでもないし、ヴィーガンがプラスチックなど他の問題の免罪符になるわけでもありません。

 

だから今日はこんな映画もあるよ、という紹介です。

 

監督はキップ・アンダーセン(主演)とキーガン・クン

 

キップは環境保護活動に力を注ぎ、全ての移動を自転車にしたり、シャワー時間を最短にしたり頑張っていました。

 

ある時、国連のレポートで畜産業が運搬業より温室効果ガスを排出していることを知ります。

 

ハンバーガー1個作るのに、2500リットルの水が必要

牛肉500gの生産に10000リットルの水が必要

 

それなのに節水を呼び掛ける政府のサイトに畜産の言及がない

 

二酸化炭素のせいで運輸業やエネルギー産業がやり玉にあがっているのに、温暖化係数で言えば二酸化炭素の296倍もの亜酸化窒素を出す畜産については知られていない。

 

グリーンピースを始め環境団体のサイトを見ても、全く畜産業に触れていないことに疑問を持ちます。

 

「何か陰謀が隠されているのでは?」

 

☆日本でも温室効果ガス削減は乗用車の電動自動化などばかりで、畜産業は全く話題に上りません。

 

環境保護団体に大量のメール、電話をしても無視され、誰も畜産について語らないので、自ら政府や環境保護団体へ直接取材に出向きます。

 

だんだんわかってきたことは

 

畜産業界は最も力を持つ団体で強力なロビー活動をしているので、敵に回すと資金集めに苦労したり、ビジネスに影響が出るので環境保護団体は「環境破壊の主原因は畜産にある」という事実を隠しているということ。

 

また、それを言い出したら自分たちも肉食を止めなければならなくなる。

 

さらに、アマゾンの熱帯雨林破壊の91%が畜産に起因しているのに、レインフォレストなどの熱帯雨林保護団体も口を濁して畜産を語らない

 

「牛のことを話してはいけない?」

「意図的に隠している?」

 

そしてブラジルでは、アマゾンを守るために先頭に立って畜産業を批判してきたドロシー・スタングが銃殺され、同様に畜産の問題を提起・批判した1100人以上が殺されている事実を知ります。

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 だんだんキップは怖くなります。自分の身も危ないのではないか。

 

そして畜産同盟にインタビューし「グリーンピースに寄付しているのか」と切り込んだ質問をしたあと、映画の資金を提供している団体からも「大きな火種になるから」と資金提供を中断されてしまうのです。

 

テレビで環境問題の実情を語り、畜産業界から訴えられたハワード・ライマン氏からは「いかに危ないことをしているのか、今すぐカメラを捨てろ」と言われます。

 

キップは「考えるだけでこわい、もう断念するしかない」と映画製作は一旦中断

 

・畜産業界が絶大なる力をもっていること

・肉食派が圧倒的なマジョリティであること

 

この現実をどうにかして変えない限り、地球の未来がないことは明白。何もせずに死ぬよりいい、真実を伝えなければとキップは意を決し、映画製作を再開します。

「死にゆく地球を前に口を閉ざすわけにはいかない」

 

 監督の勇気に本当に感動しました。ずいぶん遅くなってしまったけど、この映画を観ることができたという幸運に感謝です。

 

こちらは映画の1部分

www.youtube.com

  

 こちらは畜産業と環境問題をわかりやすくまとめたもの 


2分30秒で分かる、肉を減らすと地球環境が復活するワケ(English,日本語字幕)

 

映画ゲームチェンジャーズでも 、同様の問題が取り上げられ、さらに肉を全く食べないトップアスリートたちの活躍と証言が描かれているので、興味のある方にはぜひ観ていただきたいです。

retoriro.hateblo.jp 

retoriro.hateblo.jp

 

retoriro.hateblo.jp

 

 ヴィーガンが超偏食の変わり者から「地球環境を救う鍵」という認識に変わり、世界で大きなムーブメントになっている中、日本でも中田敦彦さんがYouTube大学でヴィーガンを取り上げ、その後ヴィーガンになったと聞きます。

 

映画を諦めなかった一人の監督の勇気が、新しいゲームチェンジャーを次々生み出しているんですね。改めてすごいなと感じました。