ずっとヴィーガン暮らし

薬草学の母ヒルデガルトに憧れて植物療法を学んでいます

散りゆく木蓮の花をお茶にしていただく

気がつけば、桜も散り、木蓮も散った。冬の終わりから春の始まりにかけて、ミモザの黄色、桜のピンク、木蓮の白と、新しい季節の訪れを感じながら、その移ろいを十分に楽しませてもらった。

 

これは2週間ぐらい前の庭の木蓮。空へ向かって真っすぐに伸びる枝。一緒に見上げていると、優しい香りに包まれて自然と気持ちも穏やかになる。

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今年は初めての試みをした。散る前の木蓮のお花を少しだけいただき、お茶にしたのだ。初めてなので半信半疑、庭の木蓮の花が本当に飲めるの?

 

菊花茶や菊料理も菊の花なら何でもいいわけではなく、食用の菊を使うと言うから、木蓮茶も飲用のものが売っているのかもしれない。でも、庭の恵みをありがたくいただくことに特別な意味を感じて、やってみることにした。

 

まずは花びらを広げてドライにする。けっこう大きいな。存在感がある。

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中央のガクを取り除く。時々裏返しながら1日~2日風通しの良い日陰に干す。裏側もとても上品で美しい。

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干したらこんなに小さくなった。

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いよいよ試飲。初めての木蓮茶。ドキドキ~。どんな味がするのかな、というかお腹痛くなったりしないよね。日本のハーブセラピスト講座で毒草について学んでからは、すごく臆病になっている。

 

水仙の葉をニラと間違えて誤食し、食中毒を起こした例を始め、フキノトウに似ているハシリドコロ、セリに似ている毒ゼリ等々。山で野草を摘んで自分で野草茶を作るなんて、まだまだ先の夢の世界だ。

 

ガラスポットに2輪入れて熱湯を注ぐ。少し蒸らした後、カップに注ぎ、飾りに1輪お花を浮かべてみた。

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きれいな色のお茶ができた。香りもいい。おそるおそる飲んでみる。薄めに入れたからか強い味ではなく、ほんのりと甘い優しい味だ。

 

本によると、木蓮茶には次のような効能があるという。

・冷え
・鼻炎
・気管支炎
・慢性鼻炎による頭痛
・鎮痛、消炎
・気持ちを上げる
・集中力を高める

 

体感として言えるのは、確かに冷えにはよさそうだ。そしてメンタルには絶対効果があると思う。花の美しさと香り、エネルギーがじわっと体に沁み透る。ヒーリング効果は抜群だ。

 

どうせならと、庭に運んで飲んでみた。パンジーと一緒に木蓮茶を楽しむ。パンジーもドライにしてお茶にできるはずだけど、まだまだ勉強不足で園芸用のパンジーが飲めるのかどうかわからない。

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参考にしたのは、コウ静子さんの「季節に寄り添う韓国茶」だ。ちなみにコウ静子さんはコウケンテツさんのお姉さん。私はこんなに美しいお茶の本は見たことがない。表紙は蓮の花のお茶だ。1輪でこの圧倒的な存在感。

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この本には他にも季節に添ったお茶がたくさん紹介されている。自然とはなんと美しく、そしてその恵みをいただくことはなんと贅沢なことかと改めて驚かされる。私の憧れが詰まった花茶の世界。少しずつでも真似してみたいなぁ。

季節に寄り添う韓国茶ー 心と身体を癒す花茶と薬草茶、そして菓子

 

フィトセラピーを学んでいてよく聞く話に次のようなものがある。

 

「庭にはその人に今必要な植物が自然に生えて来る」
「今そばにある植物があなたを助けてくれる」

 

20年以上もずっとそばにいてくれた庭の木蓮。見るだけでなく、お茶にして飲んでみようなんて今まで思ったこともなかった。新しい関係が始まったような、距離が近くなったような気がして、なんだかうれしい。

 

おそるおそるいただいた初めての木蓮茶は、とてもふくよかで優しく、お腹が痛くなったらどうしようという心配は杞憂に終わった。来年の春にまた元気に花を咲かせてくれることを祈っている。

 

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一枚のフラワーカードに心が動いて

バッチフラワーのオラクルカードが新しく発売されたので買ってみた。今までのバッチフラワーカードはお花そのものの写真だったが、このカードはちょっと趣向が違うようだ。

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ちょっとメルヘンチックなイラストのカードは、最初から花の持つメッセージを意識して描かれているからわかりやすい反面、本来私たちが花そのものから感じるインスピレーションを邪魔しないかなと疑問に思った。

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左のアグリモニーは花が描かれているけど、真ん中のゲンチアンは手にもっているだけだし、右のチコリは抽象的な花束として描かれているから、花そのものからメッセージを受け取ることはできない。

 

それでも私はこのカードを見た時、とてもいいなと感じた。心に響くのだ。どのカードもずっと見ていたくなる。あえてメッセージは読まないようにして、最初にぱらぱらとすべてのカードをながめたが、心惹かれるものが多かった。

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なんとも心地よさそうではないか。安心、平和、穏やかさ、光。ちなみにインパチェンスはバッチ博士が最初に発見したフラワーレメディだ。

 

バッチ博士は元々西洋医学のお医者さんだった人で、ワクチン開発で一躍有名になったにもかかわらず、現代医学では患者は救えないと野生の植物の中に治療法を見出し、38種類のフラワーレメディを確立した。

 

フラワーエッセンスが心に響くのは当然のこと。バッチ博士が「病気の根本的な原因は心の不調和」と考えていたからだ。

 

☆12ヒーラーズ

生まれながらに持っている性格を表す。12のタイプがある。私の場合は間違いなくウォーターバイオレットだ。

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持って生まれた自分の気質に似た植物が存在することを知った時の驚きは忘れられない。

ウォーターバイオレットは静かな水の中でひっそりと生息し、他の植物とは別世界に住む。デリケートな小さな花を持つが、茎はしっかりと太い。

 

人間のタイプは「一人が好き」「干渉することもされることも大嫌い」「人と関わると疲れる」ので、社会的な関係より自分の価値観を重視する。人に距離を置くので、周りからは「とっつきにくい」「プライドが高く近寄りがたい」という印象を持たれる。

 

もしそんな傾向が強すぎて心のバランスを崩した時は、ちょっと人と関わってみましょうというのがカードのメッセージだ。

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☆7ヘルパーズ

長期間に渡って抱えている心の状態で慢性化している。持って生まれたものではないが、もはや性格の一部にまでなっている。7種類ある。

ワイルドオートは「迷いのレメディ」と言われ、興味の対象がたくさんありすぎて、なかなか自分の進む道が決まらない状態の時に。

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☆セカンド19

仕事上のトラブルなど、日々起こる外的要因で急に陥る心の変化に対応するレメディ。19種類ある。

クラブアップルは「浄化のレメディ」と言われ、小さなことにこだわりすぎて心のバランスを崩したり、感染症の危険性を心配しすぎて潔癖症になっているような時に。

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全部で38種類あるので私も覚えきれず、部屋にポスターを貼って毎日眺めている。植物のジェスチャー(外見、生育の仕方、生き様)と人間の感情状態が対応しているなんて、不思議すぎる世界。

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7つのカテゴリーに色分けしてあるので、今の自分の心の状態にあったレメディが見つけやすい。

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逆にオラクルカードは、心静かに直感に従って引くことで、偶然のような必然のタイミングで今の自分に必要なメッセージが得られる。

 

カードを購入後、全部裏返した状態で初めて引いたのがこのカード。長年大人バレエを習っているので、このイラストにはちょっと驚いた。

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一人で孤高に踊るけど、なんか楽しそう。小鳥たちがそれを応援してくれている。

 

ラーチはヨーロッパカラマツ。他の松はみんな冬越えするのに、ラーチは秋に葉が全部落ちてしまうらしい。傘のように下向きに枝が開く。自信のなさの象徴。

 

ブログの方向性がわからなくなってしまい、自然療法の勉強を口実にしばらく休んでいたけど、このカードを引いたら急にフラワーエッセンスのことが書きたくなった。考えすぎず、ただ心の赴くままに書けばいいのかなと思った。

 

自分なりに思うところがあって、はてなスターとコメント欄を無くしました。今までスターで応援してくださった皆様、ありがとうございました。皆様のブログへは足跡を残さずに訪問を続けるつもりでおります。

 

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すみれ第2弾、私のすみれノオト

寒い冬の庭にちっちゃなすみれの花を見つけて、すみれの魔法にかかった話を書きました。すみれには薬草としての長い歴史と、偉人たちを虜にした不思議な魅力があるようです。

 

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薬草としての歴史はおいておいて、すみれの魅力はなんといってもその愛らしさと甘い香り、凛とした気品ではないでしょうか。

 

すみれはヴィクトリア女王の大のお気に入りで、ヴィクトリア時代にはすみれが大流行。キャンディ、砂糖漬け、キャンドルといろいろな用途で使われ、女性たちは儚いすみれを永遠にするために押し花を作っていたそうです。(「イギリスアンティーク手帖」より)

 

私がすみれの魅力にはまったのも薬草としての顔ではなく、やはりその愛らしさから。

 

ある日、フランス雑貨のお店「菫杢 Sumireno」さんに出合い、すみれの世界に魅了されてしまったのです。

静岡県島田市のスイス雑貨・ハンドメイド・お花のお店【 菫埜 Sumireno 】

フランス雑貨 - 菫埜 Sumireno

ですから、家の中にもすみれがあるある。恥ずかしながら、ちょっとだけご紹介しますね。

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すみれのティーセット

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すみれのキャニスター

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すみれのアンティークポストカード

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すみれの器

けっこうあるでしょう(笑)こんなふうに雑貨から入ったすみれの世界ですが、今はすっかりその薬草としての魅力に取りつかれています。

 

すみれの薬草としての歴史を調べていく中で、久々に手に取ったモーリス・メッセゲ氏の本。こちらは薬草療法のバイブルのような本です。

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やっぱりありました、すみれの話!ハーブの部分ばかり読んでいたので、すごく新鮮でした。

 

メッセゲ氏も、医学の父ヒポクラテスがすみれを様々な病の症状の改善に勧めていた話を書いています。薬草療法の長~い歴史は現代にまで続いているんですね。

 

その中で、特にすみれの鎮咳作用を取り上げています。そこで今回はすみれワインに続き、すみれを使った喉ケアシロップを作ることにしました。

 

花梨すみれを用意します。このオーガニックのドライヴァイオレットもコロナの影響で手に入りにくくなりました。

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消毒したガラス瓶に、てんさい糖・花梨・すみれを交互に入れていきます。すっごくいい香り~!

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後で濾すので、種も一緒に入れます。種からとろっとした成分が出るそうですよ。喉の痛みに効きそうですね。

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山盛り入れましたが、砂糖が溶けたら嵩が減ります。酵素を活かした発酵シロップなので、火にかけたりせずに発酵を待ちます。

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2~3日でかなりシロップが溜まり始めました。すみれの色も鮮やかに変化。あとは泡がぶくぶくして発酵が進んだら、漉して完成です。1年ぐらいは平気でもちます。まずはこの冬の喉のケアに。

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修道院のすみれオイル

こちらは修道院で作り続けられているすみれのボディオイルすみれのアロマオイル。すみれの精油はローズオットーと同様に、数滴で何万円もするので、このアロマオイルはエッセンシャルオイルではありませんが、とてもいい香りです。Violaとあるので正確にはパンジーの方ですね。

 

さて、これまですみれの愛らしさや薬草としての顔について語ってきましたが、ナポレオンやシェークスピアなど、すみれと関わる偉人たちの多さを見ると、すみれには何か人を惹きつける魔法の力があるようです。

 

「菫ほど 小さき人に 生まれたし」

(現代語訳 道端にひっそりと菫が咲いている。目立たずとも、たくましく咲く。この花のような人になりたいものです)

 

ご存知の方も多いかと思いますが、夏目漱石が30歳の頃に詠んだ句です。漱石が最も鬱々としていた時期だと言うので、どんな思いが込められているのか気になりました。

 

・目立たないけど懸命に咲くすみれに感動した
・面倒な人の世を離れひっそりと生きたい
・社会のしがらみにとらわれず、自分の力を尽くしたい

 

参考↓

【菫ほどな小さき人に生まれたし】俳句の季語や意味・解釈・表現技法・作者など徹底解説!!

 

私自身も冬の庭に咲くちっちゃなすみれの姿に感動したのですが、漱石のように道端のすみれに出合い、何かしらの思いを抱いた人も多いのかもしれませんね。

 

可憐な姿に似合わない強さを併せ持つ。自分は自分のままで、ここで生きるという凛とした気高いオーラ。愛らしいのに潔い、それがすみれの魅力でしょうか。

 

先が見えない今のご時世ですが、周りに惑わされず、いつも自分軸で、そしてこの場所で。ちっちゃなすみれから改めてメッセージをもらったようです。

 

 

すみれの魔法にかかる

もう10年ぐらい前でしょうか。「すみれノオト」という装丁の美しい本を読みました。23歳で夭逝した松田瓊子の作品集で、上皇后美智子さまが女学生時代に愛読されていたと知り、興味をもちました。

 

すみれが好きで、自らも「すみれ」という短編を書いた松田瓊子。清楚で、おだやかで、瑞々しい文章。それでいて凛とした強さをもつ松田瓊子の世界は、どこかすみれの花に重なります。

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すみれノオト ---松田瓊子コレクション

 

すみれはその可憐な姿からは想像もできないほどたくましく、生命力が強いと言われます。コンクリートの隙間から愛らしく顔を出していることもありますよね。

 

なぜ、急にすみれの話?

 

実はうちの庭になんとも愛らしい、ちっちゃなすみれが咲いていたのです。なんでこんなところに、と思うような石がごろごろしているところ。しかも季節外れのこんな冬に。

 

まるでそこだけ春のような輝き、妖精がいるかのようなオーラを放っていて、すみれの生命力と、それを感じさせない可憐な姿に感動してしまいました。

 

清楚で可憐なのに、強い。かのナポレオンも、ルイ14世もすみれが大好きだったと言うから、きっとすみれの魔法にかかってしまったのでしょうね。

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そんなすみれの花ですが、自然療法の世界では古くから薬草としての顔を持っていました。

 

古代ギリシャや古代ローマでは、すみれを頭痛や二日酔い、視覚障害に利用し、医学の父、ヒポクラテスは抑うつ症、胆汁過多、胸部の炎症にすみれを勧めたそうです。

 

中世になると、すみれはキリストの謙虚さを象徴するとし、その象徴性と治療力から修道院の庭に盛んに植えられたそうです。(「花のもつ癒しの魅力」より)

 

「ヒルデガルトのハーブ療法」によると、聖ヒルデガルトはニオイスミレを使った2つのレシピを残しています。疲れ目に「ニオイスミレのオイル」と、うつ状態に「ニオイスミレのワイン」です。

不満と憂鬱に悩まされるときは、ワインにスミレを入れ、少しのガランガル、好みの甘さにするためのリコリスを入れたものを飲みなさい(「聖ヒルデガルトのヒーリングレシピ」より)

 

すみれにはサポニンと粘液が含まれているので、鎮咳・去痰の薬効があるそうです。喉のケアが必要な今の季節にぴったりですね。ヒポクラテスやヒルデガルトによればメンタルにもよいということで。

 

<ニオイスミレのワイン>

☆材料

・ワイン 500㎖
・ドライヴァイオレット 大さじ1
・リコリス 小さじ1
・ガランガル 少々

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ドライのニオイスミレとリコリス

生のすみれは食用にも使えるので、理想的には「自分で庭で育てたニオイスミレを使って」といきたいところですが、まだまだ修業不足。ここではオーガニックのドライを使います。


リコリス(甘草)は名前の通りかなり甘いです。こちらも古代ギリシャの時代から咳や喉の痛みに使われていました。最強コンビですね。

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こちらはヒルデガルト推奨のスパイス、ガランガル。発汗、健胃、強壮の作用があります。手に入りにくいので生姜でもOK。

 

ワインに入れたら、こんな感じ。うわぁ、可愛い!飲む前から癒されそう、これがすみれマジックか。

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火にかけて煮たら、こんな感じ。花びらが十分に開きました。すみれの成分が浸透したでしょうか。

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濾してから、リコリスとガランガルを加えたらできあがり。

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この瓶に入り切らず、もうひと瓶分できました。普段アルコールを全く飲まないので、美味しいのかどうかもわかりませんが、寝る前にちょっとずつ飲んでみようと思います。

 

万葉集にも登場しているすみれ。飛鳥時代の薬猟(くすりがり)で摘まれたのでは、という話も読んだので興味が尽きません。

 

次回もすみれの話になりそうです(笑)

 

 

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ハーブでお屠蘇を仕込みました

お酒の飲めない私はお正月にお屠蘇を飲んだことがありません。両親も全く飲めなかったのでお屠蘇には縁がありませんでした。だからお正月に飲む日本酒のことを特別に「お屠蘇」と呼ぶのだとずっと思っていました。

 

ところが「日本のハーブ」について学ぶうちに、お屠蘇とは屠蘇散という生薬を日本酒やみりんに浸けこんでお正月にいただく縁起の物だと知り、日本文化を全然知らない自分に呆れてしまいました。

 

屠蘇とは「邪気を屠り、心身を蘇らせる」ところから名付けられたとのこと。

 

日本には平安時代に中国から伝わり、宮中で屠蘇を飲む習慣から民間の風習へと移っていったそうです。

 

一人で飲めば一家に疫なく、一家で飲めば一里に疫なし

 

そんな歴史と伝統のあるお屠蘇。いくらお酒が飲めないと言っても、来年からは私もきちんと邪気を屠り、心身を蘇らせ、新しい年の健康と無病息災を祈りたい。一口でも絶対飲もうと今からその気満々です。

 

屠蘇散は、中国大陸の三国時代の医師、華陀による処方で流行病を予防するために考案されたそうです。生薬は肉桂・山椒・防風・桔梗・白朮・乾姜などですが、「屠蘇散」というお屠蘇用の生薬セットがアマゾンで売っていました。

 


高野山の開運お屠蘇(屠蘇散)

屠蘇散を購入して日本酒に仕込んでもよかったのですが、せっかくなので和ハーブなど手に入る材料で浸けてみることにしました。

 

用意したのは、ドライで茴香(フェンネル)生姜丁子(クローブ)シナモン和薄荷・生の柚子の皮

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フェンネルだけは前もって潰しておきます。潰すとスパイシーないい香りがします。

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これらを瓶に入れて日本酒を注ぐのですが、自然療法の先生が「ラム酒もイケる」とおっしゃっていたのを思い出し、心がそちらに動いてしまいました。

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初めて作るので、少なめに仕込みました。薬草たちのコラボ、どんな味になるのでしょうか。

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かなりスパイシーなお屠蘇になりそうなので、これとは別にオリジナルで優しいお花のお屠蘇も仕込んでみました。これをお屠蘇と呼んだら怒られるかもしれませんが、自己流お屠蘇の変わりバージョンということで大目にみてください。

 

菊の花クコの実ローズ山査子にアクセントで生姜も選んでみました。女性によいと言われる温め効果のある素材。

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きれいな色を楽しみたかったので、こちらは透明なウォッカにつけることにしました。お屠蘇からはどんどん遠ざかっている気がするけど。

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小さな瓶に少しだけ。やっぱり見た目が愛らしいのはお花ですね。

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2週間~1ヶ月ぐらい浸けたら漉して完成。どんな味になるか今から楽しみです。お酒が1滴も飲めないのに、ノリで2種類も作ってしまってどうしましょう。

 

正月早々、真っ赤な顔で酔っぱらったら、邪気を祓うどころじゃないですね。何かやらかしてしまいそう。薄ーく、お湯割りがいいかなぁ、、なんて、どんどん横道にそれてお屠蘇じゃなくなっちゃいますね。

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昔は大晦日に家の井戸の中に吊るして浸したものを、元旦にいただいたりする風習もあったそうです。風流でいいですね。

 

自然療法については、元々ハーブが好きだったのでハーブの世界から入り、薬草学の母ヒルデガルトに出会い、修道院ハーブ、ホメオパシー、生命組織塩、フラワーエッセンスと興味の幅が広がり、巡り巡って今は「日本のハーブ」を学んでいるところです。

 

因幡の白兎のお話が、日本における最初の薬の記録だと知って感動しました。大己貴神(大国主命)が皮を剝がされたうさぎを真水で洗い、止血と消炎のために蒲の穂綿を塗ったのが始まり。

 

神話と歴史と自然療法。今更ですが、やっぱり日本文化ですね。先人の知恵を学んで、少しずつでも生活の中に活かしていくのが目標です。

 

ここまで日本メディカルハーブ協会の「日本のハーブセラピスト」テキストを参考・引用致しました。

 

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宮沢賢治とローズヒップ

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ローズヒップ、その赤い実は「ビタミンCの爆弾」という異名を持つほどビタミンCが豊富で、なんとレモンの20~40倍だとか。日本でも美容、健康によいと人気がある薬用ハーブです。

 

ヨーロッパでは古くから薬用として処方され、私が学んでいる薬草学の母、聖ヒルデガルトも「肺に痛みがある人は、ローズヒップを葉といっしょに粉にし、ハチミツを加えて煮込み、ワインを作りなさい」と言っています。(「ハーブ学名語源事典」より)

 

ところで宮沢賢治の童話の中には、そんなローズヒップが登場するお話があるんです。さすが賢治、野ばらの実の薬効を知っていたんですね。簡単にストーリーをご紹介します。

 

☆よく利く薬とえらい薬

 

清夫は病気のお母さんのために、今日も森へ野ばらの実を取りに行きます。そんな清夫を心配するように、野鳥たちは次々と声をかけます。つぐみ、ふくろう、よしきり、かけす、、。

 

「清夫さん、今日もお薬採りですか、お母さんはどうですか、バラの実はまだありますか」

 

鳥たちが気にしているのは、お母さんの具合と野ばらの実の残り具合。それぞれが申し合わせたように同じことを聞くんです。本当に優しい鳥たち。

 

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清夫は一生懸命、汗だくになって野ばらの実を集めますが、その日はなかなか集められずに疲れてしまいます。そして野ばらの実をひとつ手に取り、唇に当てます。

 

するとピリッとして体がふるえ、

何かきれいな流れが頭から手から足まですっかり洗ってしまったやう

全身がすっきりし、すがすがしい気分になったようです。体が浄化されたのでしょうか。

 

そして、目も耳も鼻も敏感になって、空の青さや草の下の苔がはっきり見えたり、かすかな音が聞こえたり、木の匂いまで感じられるようになります。体が覚醒したのでしょうか。

 

家に持ち帰り、お母さんもその野ばらの実を水に入れて飲むと、起き上がれるぐらい元気になりました。

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ローズヒップを切った断面 ここに薬効が詰まっている?

清夫の不思議な野ばらの実の話は評判になり、人々は「きっと神様が清夫に授けたんだろう」と考えますが、ここで欲張りな偽金遣いの大三が登場。なんとしても不思議な野ばらの実を採ろうと100人も動員して探しに出かけるのですが、、。

 

童話には必ず悪いやつが出て来ますね(笑)

 

案の定、大三は不思議な透き通った野ばらの実は見つけられず、偽金作りの工場で普通のバラの実に、ガラスのかけら塩酸水銀を合わせてふいごにかけ、出来上がった透明なものを飲むのですが、どうやらそれは猛毒だったようで死んでしまいます。

 

ほんの短いお話ですが、その中には「脚気はビタミン不足から」とか、出来上がった猛毒は「昇汞」という物質であった等、ちょっとした文から賢治の博学ぶりが感じられます。

 

そして母のために汗だくになって野ばらの実を探す清夫を心配し、声をかける野鳥たち。ここにも賢治の理想の世界、自然の中でいろいろな生き物たちと共に生きる姿が描かれています。

 

野ばらの実にパワーをもらった清夫と、元気になったお母さん。自然の中に人を治し癒してくれる宝物が存在していることを、賢治はよく知っていた。そして後世の私たちにも童話で教えてくれるなんて、改めてすごい人だなと感じました。

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白銀の世界でいっそう映える赤い実

私もローズヒップは常備して、ハーブティーのブレンドには必ずローズヒップを入れています。感染症予防やビタミンC消耗時の補給によいそうですよ。お茶の後のローズヒップは煮詰めてジャムにして、捨てずにいただきます。

 

ハーブティーで飲むローズヒップはドッグローズという種類で、日本の野ばらの実はハーブティーではなく生薬として使われるそうです。 

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この童話のように、身近な人を助けるために森へ行って薬草を採って来るような暮らしに憧れます。ただ今の私は全くの実力不足。森へ行っても宝物は見つけられないでしょう。買うばかりの生活が恥ずかしくなります。

 

夏の自然療法のレッスンでは、虫刺されケア用に「蛇いちごのティンクチャー」を作る実習があったのですが、私はどこへ行ったら蛇いちごが見つけられるのかもわからず、作れませんでした(号泣)

 

私が憧れる「本物の暮らし」とはほど遠い感がありますが、宮沢賢治はじめ、賢人の知恵をもっともっと勉強し、少しでも生活に取り入れたいと思っています。


よく利く薬とえらい薬 (ガラス絵の宮沢賢治 (10))

 

 

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見て嗅いで癒されるハーブの蚊取り線香

夏の庭仕事には欠かせない蚊取り線香。「キンチョーの夏、日本の夏」というキャッチコピーもあったぐらいですから、金鳥の蚊取り線香はもはや日本の夏の風物詩。

 

最近はアロマ蚊取り線香とか、色々な香りのものがあるようですが、子供の頃からずっと側にある普通の蚊取り線香の香りがいいなぁと思っていました。

 

ところが、先日偶然釣り鐘型のかわいい蚊取り線香を見つけてしまい、「シトロネラ、レモングラス スパイラルインセンス」という商品名に釘付け。

 

まさにちょうどシトロネラ、レモングラスの虫除けスプレーを作ったばかりだったので、セットで使おうかと衝動買いしてしまいました(笑)

 

届いたのがこちら。思ったよりコンパクト。

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全部で5枚の蚊取り線香と釣り台、アルミホイルがついていました。火をつける前から優しい香りがしますね。

 

折れないように丁寧にほぐしてください

 

説明書にそう書いてあったのに、早速やってしまいました。あちゃ~ひとつ失敗💦

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備え付けの台に吊ってみました。普通の蚊取り線香と比べると、小ぶりですね。それでも7時間は持つそうですよ。

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火をつけてみたらこんな感じです。釣り鐘の形がなんとも可愛い!

 

こういう丸いものとか、カタツムリのような渦巻ってなぜか癒されるんですよね。自分の今年のテーマが「まあるい」だったのを思い出しました。

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予想外だったのは香りなんです。ちょっと甘い

 

あれ? シトロネラ、レモングラスというタイトルなんだけと、、。そして成分のようなものは書いてなくて「レモンユーカリオイル配合」とあるだけでした。
 

ハーブで蚊への忌避効果が高いとされるのは、シトロネラ・レモンユーカリ・ゼラニウム・レモングラス・ペパーミント等。

 

大体すっきり系の香りなので、この蚊取り線香もちょっとシャープな香りを想像していたのですが、思ったより甘かったです。でも甘ったるいわけではなく、いい香りです。

 

注意書きには「屋内、テント内では使用しないでください」とありますが、火事の危険性を避けるためだと思います。 目の届くところで短時間だけなら室内でも、部屋の消臭・浄化に悪くないと感じました。(逆に風のある日は外は危ないかも)

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 この形~見ているだけで癒される。ついついぼーっと見てしまいます。

 


シトロネラ 虫除け線香 スパイラルインセンス 5巻入 渦巻き線香 カメヤマキャンドル レモングラス 吊り下げ 吊り台 カメヤマ コンパクト 虫よけ 蚊よけ 蚊除け アロマ 柑橘系 レモンユーカリオイル 釣鐘状 虫 蚊取り線香 アウトドア キャンプ 虫対策 IT277

 

ところで、聖ヒルデガルトが推奨するハーブの中にバートラムというハーブがあって、「よい血を増やし、明晰な頭脳を与える」とあるのですが、残念ながら日本では手に入りません。除虫菊の仲間なのですが、日本では除虫菊と言えば食用ではなく、蚊取り線香の原料ですものね。

 

 自然の植物に虫を忌避する成分や殺虫成分が含まれているなんて不思議ですね。植物が生きるための戦略なのか、、虫を忌避しながらも共存する知恵、見習いたいです。

  

虫除けスプレーも作りました!

 

こちらもやっぱりシトロネラレモングラス、ユーカリ、ペパーミントの精油をブレンドしました。甘くないですよ~、いかにもハーブっぽい植物の香りがします。

 

庭に出る前に首元や腕にシュッとスプレーします。網戸などにつけてもOK。

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 今年の夏も後半戦ですが、庭仕事はこの虫除けスプレーと釣り鐘の蚊取り線香で乗り切れそうです。もちろん、今まで通りキンチョーさんの蚊取り線香も。

 

 

まあるいシリーズ

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ドクダミ蒸留水とジェルで梅雨を乗り切ろう

毎年必ずやってくるじめじめとした梅雨の季節。こんな時はやっぱり伝統的な和ハーブで乗り切りたいものです。そこで10個以上も効能があるというドクダミ(生薬名は十薬)を使ってみることにしました。

 

植物事典を見ると、ドクダミの自生地域は「日本全国」で、生育地は「道端の湿地」とあります。それだけ身近な植物でありながら、多くの効能を持つ最強の雑草なんですね。

 

今回は先日ご紹介した家庭用蒸留器リカロマを使ってドクダミの蒸留水を作ります。こちらのドクダミはリカロマ専用としてリカシツで購入しました。

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IHヒーターの上に大きいビーカーをセットします。何度やっても理科の実験のようで楽しい💛

水250㎖を入れて台を置き、その上に小さいビーカーを載せます。まわりにそっとドクダミ25gを入れて、蓋をしたらセット完了!

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IHヒーターのスイッチを入れ、沸騰してきたら蓋に氷を入れます。

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沸騰し蒸気がどんどん上がる中、ドクダミの成分が溶け出して水蒸気と一緒に上昇します。氷で冷やされると蓋を伝って真ん中から小さなビーカーにポタポタと落ちて来る仕組みです。

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蒸留している間、部屋中ドクダミの何とも言えない渋いいい香りで包まれました。ドクダミ茶もちょうど作っていたので、お茶を飲みながら蒸留の香りも楽しみ、ダブルで癒されました。

 

20分ぐらいで100㎖のドクダミ蒸留水が取れました!冷めたらスプレーボトルに入れて完成。

 

次にドクダミジェルを作ります。こちらはニールズヤードさんのオンライン講座で習ったもの。

 

材料は濃いめに煮出したドクダミ茶ペパーミント精油無水エタノール、ジェル状にとろっとするためのキサンタンガム少々。

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始めにエタノールとペパーミント精油、キサンタンガムをよく混ぜ、そこに少しずつドクダミ茶を入れていきます。よく混ぜてとろっとしたら出来上がり。

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ペパーミントとドクダミの組み合わせは初めてです。爽やかなペパーミントの香りに渋いドクダミ茶の香りが混ざってちょっと不思議な和の雰囲気。

 

今回出来上がったのはこちらの2つ。手作りのものは保存料無しなので日持ちはしませんが、材料がわかっているので安心です。

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ドクダミは抗菌作用があるので、ドクダミ蒸留水はお部屋にスプレーしたり、拭き掃除の時に雑巾に吹きかけたり、アイロン時のリネンウォーターとしても大活躍。また、この蒸留水にエタノールとグリセリン少々を加えてドクダミ化粧水も作れます。

 

昔から皮膚のトラブルによいとされたドクダミ。ドクダミジェルは冷蔵庫で冷やしておいて、お風呂上りに首回りや脇の下に付けるとすっきりします。ペパーミントの香りもリフレッシュには相乗効果。

 

まだ下水道が整備されていなかった昔は、トイレの近くにドクダミを植えていたそうです。トイレにドクダミを投げ入れて排泄物の臭いを和らげていたとか。

 

また水虫や腫れには葉を直接患部に当てたり、便秘や膀胱炎にはお茶を、冷え対策には煮出し汁をお風呂にと、ちょっと前の時代まではドクダミは身近な万能薬草としてフル活用されていたんですね。

 

いつも植物がそばにある暮らしっていいな、昔の人の知恵ってすごいなと感じます。

 

そんな暮らしに憧れながら植物療法を学んでいますが、私の暮らしと言えば、ドクダミを購入しているぐらいですから、理想と現実のギャップが、、(泣)

 

学びの道はまだまだ遠く長く続きますが、これからも一つ一つじっくり試しながら生活に取り入れていきたいと思っています。

 


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カモミールのゴロ寝療法とは

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表紙がカモミールの薬草事典。手のひらサイズなのに薬草のことがいっぱい詰まっています。ボタニカルイラストもとっても素敵。

 

どこかリンゴのような優しい香りのするカモミール。主張が強いハーブではないけれど、風邪ひきさんに、お腹を壊した子供に、眠れない夜にと、ヨーロッパでは家庭の常備薬として古くから使われています。

 

だからピーターラビットの物語にも登場するんですね。

 

うちの庭でも次々と小さな花を咲かせています。蕾もいっぱい。でも実はアブラムシもいっぱい(泣)牛乳を振りかけるといいらしいけど、調べてみたらやっぱりすごく臭くなってしまうそうです。

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フレッシュではとても使い切れないので少しずつ干して、ドライで使おうと思っています。

 

いかにも野の花といった素朴なイメージのカモミール。どこにでもある身近な植物にこそ、実はたくさんの効用が隠されているという事実。これこそが自然の恵み、愛なんだなぁとつくづく思います。

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カモミールの花言葉は「逆境における活力」「忍耐」、なんだか可憐な見た目とは違って、底力がありそうですね。

 

またの名を「謙虚の草」と言うそうです。芝生と同じで踏まれれば踏まれるほどよく育つので、「植えたばかりのカモミールの上を薄い革靴で踊ることはカモミールの定着を助ける」とされたそうです。(ハーブの歴史百科)

 

こんな可憐な花を踏みつけるだなんて、とてもできそうもないけど。それだけ生命力にあふれているということなのでしょうね。

 

時間差で次々干しているので、今回はこの3束だけお茶用に花の部分を切ることにしました。

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すっかり渇いたカモミールの花の部分だけを切っていきます。

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生花にはアブラムシがいっぱい付いていたけど、さすがに干したらいないようですね。この作業中も部屋中にいい香りが漂います。名前の由来は「大地のリンゴ」ですからね。

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3束でこのくらいの量。瓶に詰めて保存完了。これでどのくらい飲めるかな。

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ところで、「ドイツ婦人のハーブ学」という本を読んでいたら、おもしろい話があったんですよ。

ドイツではカモミールのハーブティーを飲んだら、それが五臓六腑にゆき渡るようゴロゴロと床を転がる人もいるという

 

ええっ❕ うそでしょう?お茶を飲んでゴロゴロと床を転がる?

 

気になって調べてみたら、なんと「植物療法事典」にちゃんと載っていて「胃・十二指腸潰瘍のカモミールティーのゴロ寝療法」というものだそうです。摘みたてのカモミールの花に熱湯を注ぎ、お茶を作ります。そしてお茶を飲んだ後に

 

まず仰向けに次に右側を下に、続いて左側を下に、最後にうつ伏せの状態でそれぞれ5分間横たわるという回転療法があります。(「家庭でできるドイツ自然療法」より)

 

「五臓六腑にゆき渡るように」というのはなまじウソではなかったのですね。

 

それにしても「ゴロ寝療法」という翻訳が素晴らしいと思いませんか。調子の悪い時は頑張らずに、ゴロゴロしてもいいんだよと言われているようでほっとします。

 

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こちらは埼玉に住む姪っ子が送ってくれた緑茶とカモミールのブレンド茶です。埼玉と言えば狭山茶が有名です。

 

仕上げの工程で行われる「狭山火入れ」による独特の香ばしさがある狭山茶。そこにフルーティーなカモミールを加えることで、深い味わいのハーモニーが生まれたというこのブレンド茶。

 

開けた途端にすごくいい香り~。飲む前から癒されます。やっぱりカモミールは香りが強いんですね。緑茶とのコラボは初めて飲みましたが、香ばしくて、それでいて爽やかで、とっても美味しかったです。

 

さあ、お茶も飲んだことだし、ゴロ寝療法でも試してみましょうか。まずは仰向けで5分間、、。なんだかカモミールの癒しの力でうとうと寝てしまいそうです。次は右側に回転しないといけないのに(笑)

 


薬草 (ちいさな手のひら事典) [ Élisabath Trotignon ]


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目箒を食す、はたまた目を洗うか

庭の小さなハーブガーデンでバジルが元気に育っています。でも、溢れんばかりとはいかない。たっぷりあればバジルペーストが作れるのに、、。

 

そんなふうに欲張るのはやめました。家の庭のハーブはこれくらいで十分。自分の手に負えないぐらいの量をかかえてしまうと、ワクワクがストレスに変わってしまう。その境界線を越えないように、いつも少なめ、控えめで満足。 

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バジルという名前は、その豊かな薬効や芳香が王にふさわしいという意味からギリシャ語の「王様の薬草」を語源としているそうです。料理用ハーブとしても、まさに王様ですよね。

 

ところで、バジルの和名は「目箒(めぼうき)」

 

なんで?王様とはほど遠いイメージがしますが、これは江戸時代に日本にバジルが伝来したときに、バジルの種で目のゴミを洗っていたため「目箒」と命名されたということです。

 

バジルの種子を水に浸けると、種のまわりが白っぽく寒天状にふくらみ、それを目の中に入れてゴミを取ってお掃除したそうです。

 

そんな話を聞くと「へえ~」と思うのですが、実際にやってみる勇気がありません。だってほんの小さなゴミが目に入っただけでごろごろしてすごく痛いのに、種を目に入れるなんてできますか?

 

ところが、植松黎氏の「自然は緑の薬箱」という本には、離れにホームステイしていたベトナム人の留学生が実際にバジルの種で目を洗う話が出てきます。

 

大昔の「江戸時代のエピソード」ぐらいに捉えていた自分が恥ずかしくなりました。現代でも普通に植物療法を生活の中で実践している人がいるなんて。私なんかまだまだ本で読んでいるだけだなぁ、生活に取り入れたいと常々思っているのに。でも、食べるのはともかく、目はねぇ、、。

 自然は緑の薬箱―薬草のある暮らし

 

ささやかな収穫で料理を作りました。トマトとバジルのサラダ。モッツアレラの代わりに豆腐を入れれば「カプレーゼ」もどきになったかな。塩麹+レモン汁にハーブソルトと麻の実をかけました。

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次はちょっとアバウトなラタトゥイユ。ナスとズッキーニとトマトをバジルオイルで炒めて、バジルの生葉を加えました。

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味付けはナリンのブイヨンとハーブソルトとヴィネガーで。ナリンはアロマの方のオイルがすごく気に入っていて、そこからブイヨンを知りました。素材だけのシンプルな料理を美味しくしてくれます。

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 そして、今回初めての試みが緑茶+ハーブ。緑茶は単独で和菓子と一緒に飲むのが好きですが、たまたま本にバジルとの組み合わせがあったので、試してみました。

 

緑茶を入れてから、バジルミントの生葉を浮かべます。これが香りよく結構おいしかった!以前にご紹介したハーブコーヒーと同じくらいすっきりしました。うん、ハーブ緑茶もいいかも。

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ところで、バジルの種ですが、最近はダイエット食として人気があるらしいですね。チアシードがスーパーフードとして先に認知度が上がっていましたが、チアシードより大きく膨らみ、鉄・カルシウム・亜鉛を含むとかでバジルシードが人気急上昇中。

 

水にふやかしてから食べると満腹感が得られ、食欲を抑えられるとか。やっぱり種は水でふやかしてから使うというのがポイントなんですね。同じようにふやかして目を洗っていた江戸時代の人が聞いたら、さぞびっくりすることでしょう。

 

私はやっぱり種より葉っぱをモリモリ食べる方がいいかな。それより、目に種を入れる勇気がいつになったら出るのか。

 


生活の木 バジルシード(100g)【生活の木】

 


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